お友達とのランチ
今日のボクは、お昼にあの女に襲来されるかもしれない
でも大丈夫、ボクには先約がいるから
「幽香!いる?」
「あっ来たみたいだね!こっちこっち!」
ボクは手招きしてくれた幽香のところに行く
「一緒にお昼食べよ?」
「うん!一緒にランチ!」
ちなみにボクのお弁当は手作り
女の子と一緒にお弁当を食べる時は手作りで食べさせておいしいって言われるのがいいって聞いたし
「はい、ボクのお弁当食べる?手作りだよ?」
「わぁ!すごい!ありがとう!」
幽香は目をキラキラさせてボクのお弁当を見ている
ちなみにボクのものは全部動画で見たものを作っているので味の保証は一応ある
「はわわぁ、すごい……」
「き、気絶しちゃだめ!」
「はっ!ご、ごめん……」
幽香は時々ボクのせいで気絶しそうになる
「もう幽香、気絶しちゃったらボクのお弁当食べれなくなるでしょ?」
「そ、それって……」
「もうわかってるよね?」
幽香はボクの高校初めてのお友達
どうやら向こうもそうみたい
でも、その前に1つ聞いておきたいことがある
「させてあげたいけど、ボクの質問に答えてくれたらいいよ?」
「うん!何?」
「幽香って、芸能科なの?」
ボクが知りたかったこと
それは幽香が芸能科なのかどうか
幽香は普通にめっちゃ芸能界で通用できるほどかわいいし、カラオケで聞いた声もとても綺麗
だから、普通に芸能活動やってるのかな?
なんて、聞いてみた
やってるとしたら……歌めっちゃすごかったから歌手かアイドルかな?
「うん……そうだよ」
「あ、ダメなこと聞いちゃった?」
「いや?ただ、誰かさんにすごく影響されてアイドル目指しただけだけど?」
「幽香はアイドルやってるんだね」
「うん、まだ売れてないけど……」
やっぱりアイドルだった
アイドルの世界は狭き門で、売れるアイドルが脚光を浴び、人々から愛されチヤホヤされる一方で、売れないアイドルは苦しい生活を強いられる
幽香の夢はとても素敵だと思う
それと同時に、無理してほしくない
頑張りすぎて、壊れてほしくない
そういう思いもある
「幽香、ボクのお話しを聞いてほしい」
「どうしたの?いいけど」
「ボクの……」
「あっ!勇気!こんなとこにいたんだね!」
げっ!
来やがったこの女!
ていうかなんでこの場所にいることわかったんだ?
聞こうと思ったけどどうせ愛の力って答えられそうだからやめておこう
「あれれ?そこの子、見た感じ芸能科の子?勇気はかわいい芸能科の子とイチャイチャして鼻を伸ばすようなエッチな子になったんだね」
「キミこそボクたちに何の用だい?」
「わたしは一緒にお昼食べたかっただけだよ」
ふん!
こんなやつのこと、信用なんてできやしないね!
ボクの話を遮りやがって!
び、びっくりしたじゃないか!
で、でも幽香にはあのことは伝えなきゃ……
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