体育祭とその後
本当に嫌だった。
ただ、打ち上げの為に行った。流石に休んでおいて打ち上げだけ行くってのは気が引けたから。
だから自分の体に鞭打って行った。正直、何回ゲロ吐きそうになったか分からない。気分が悪かった。
だからずっと1人で人気のないところに籠ってた。
そうでもしないと、今にもお面が落ちるような気がしたから。
それからダンスをして全プログラムが終了。
やっと終わったという開放感のあと、俺は地獄に落ちた。
個人間の写真撮影だ。
俺はお前ら以外に友達はいない。だからお前ら以外ほとんど撮っていない。
お前らと撮ってる時間は楽しかった。ちゃんとお前らのことを大好きな友達として見れた。
でも俺らの間での写真撮影が終わってから、解散になって、死にたくなった。
お前らは撮る人が沢山居たのに、俺はほぼ0。
それに、2年生の時のクラスメイトが皆に声を掛けて写真を撮っている中で、その場にいた俺だけ声が掛けられなかった。少し離れた場所に居たから気づかなかっただけなのかもしれない。でも、それなら後で見かけた時に声を掛けられるはずなのに、声を掛けられることはなかった。
そこで、俺が大切に思っていた2年生のクラスは、俺がただ一方的に想っているだけなんだと気がついた。
俺が友達だと思っていた人は、俺の事を友達とは思っていなくて、ただのクラスメイトとしか思っていなかった。
俺が大切な友達だと思っていたお前らは、俺の事をただの友達の1人としか見てなかった。
結局の所、全て俺の勘違いだった。
その時に、俺のお面は地面に落ちた。
途端に死にたくなった。本当に、俺に生きてる価値はないと思った。
俺はお前らに必要とされたかった。いや、お前らの特別になりたかった。
「学生の時に多少仲良かった奴」で終わらせたくなかった。
俺はお前らのことを特別だと思ってる。
晴路なら、お前ほど俺が本当に馬鹿になれる相手は居ない。
蒼馬なら、お前以上に俺が優しいと思った奴はいない。
怜なら、俺がスキンシップを許せる相手はお前以外いない。
佳正なら、お前よりも一緒に帰るのが楽しいと思える相手は居ない。
轟なら、がわやなら、角田なら、伊織なら、立川なら、全員挙げられる。
皆総じて、お前ら以上に一緒にいて楽しいと思える奴らはいない。
だけど、そう思ってたのは俺だけで、お前らにとっての俺は、少し綺麗な雑草程度のものだった。
少しの綺麗な花が咲いている花壇に、点々と咲いている少し綺麗な雑草。
花壇の見栄えにぴったしのその場しのぎにはなるけど、綺麗な花が咲き出すと直ぐに摘まれる。
俺は、お前らにとっての大輪花になりたかった。永遠に根付く、花になりたかった。
俺の中のお前らは大輪花なのに、俺は雑草。
それに気づいた時、死のうと思った。
誰の特別にもなれないなら、もういっそ、死んで しまいたい。人生に疲れた。
これまでの思春期の中で、俺は多分1度だってお面を自分の意思で外したことは無い。
そんなやつが誰かの特別になりたいなんて、無理な話だった。
俺は小心者だから、正直に言ってこれを見てお前らが俺から離れていくのが怖い。
ただ、俺はもうこの気持ちを抑え込んでお前らと会話をすることが出来ないと思った。
だから、そんなんどうでもいいと思ったのなら本当に謝ります。
ごめんなさい。
無題 高校生 @rio_retasu
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