歌うような語り口で進行する本作。純朴な仲間たちとある謎、そしておぞましい思惑が交錯します。キャラクターの動きは、軽妙洒脱。他作でもそうですが、目で音で「たのしませる」というのは、作者様の持ち味にして、意識されている点なのではないでしょうか。台詞回しも各々の個性を反映していて、やりとりの光景が浮かんできます。いつの時代にも、行き過ぎた好事家の成すことは奇怪。はたしてこの物語、どのような結末に向かうのでしょう。