第23話 純白のしっぽ

あの日より前のことは何一つ思う出せないのに。全てはこの手からこぼれ落ちてしまったはずなのに。その黒いつぶらな瞳は、全てを忘れ全てから忘れられた俺のことを知っていると告げていた。純白のしっぽがちぎれそうに振られる。ふわふわの毛並みを撫でると失われたはずの過去が優しく語りかけてくる気がする。お願いだ、何をなくしてしまったかも忘れている俺を導いてくれ。


有馬 礼さんへのお題は

【純白のしっぽ】、【失われたはずの過去】、【撫でる】です!

予備:【糸車】

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青い蝶からの手紙 有馬 礼 @arimarei

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