第22話 誰かの花嫁

深くヴェールを被った白いドレスの娘たちの亡霊は、谷間の墓地を彷徨い続ける。みな、誰かの花嫁として奪われてきた。だが、あなたがもしそのヴェールの下の顔を覗き見ることができれば、彼女らが悲嘆に暮れているわけではないことがわかるだろう。彼女らは喜ぶ。自身の手に取り戻された日々を。だから、足取りの途絶えた死せる花嫁を探してはならない。あれは喜びの舞なのだ。


有馬 礼さんへのお題は、

【誰かの花嫁】、【足取りの途絶えた】、【喜ぶ】です!

予備:【奪う】

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