あとがき

あとがき

　頑張らないと生きていけない。頑張らないと食事ができない。頑張らないと人と話ができない。それが「向いてない」ということなら、俺は生きるのに向いてない。だから正直死にたいが、死ぬのはずっと、すごく怖い。死にたいと思う。死んだほうがいいと思う。でも病気が怖くて、医者に診てもらったり検査したり、薬を飲んだりしている。小説が嫌いだ。でも気がついたら書いてる。人付き合いは面倒だ。でも一人でいると寂しい。もう何も食べたくない。でも食べないと苦しい。食べても苦しい。公開や発売を楽しみにしてる作品がいくつかある。でももう別に見なくてもいいかなと思う。頑張ってお金を稼いでる。でも金の使い道がない。親に仕送りしている。でも死んだら保険金が親に行くんだから別に無理して働くことないよなとも思う。美しいと感じる景色がある。そんなもの所詮は空（くう）だと知っている。神など実在しない。でも熱心に神社に行く。占いなどたわごとだ。でも必ずおみくじを引く。戦争は無くならない。でもいま現実に行われている戦争を思うと苦しくなる。世界中みんなが幸せならいいのに。でも幸せなんか、新たな渇望を生むだけのくだらないものだ。俺はここにいる。そこにいるのは俺ではない。言葉の真意は伝わらない。なのに書かずにいられない。俺は生きるのに向いてない。