4.歴史を紡いでいこう 〜ざっくり”現代”を考えよう〜
この「構想メモ」の一つの主軸とも言えるパートに突入しました。
文化、国民性、芸術…。この世のあらゆるものは、歴史の中で形作られてきました。創作の世界ではそれらの文化は別にちゃんとした歴史設定を作らなくても成り立ってしまいます。
というわけで本来手っ取り早く創作を始めようと思えば歴史なんかその場その場でそれらしい背景を作ればやっていけます。もしここまで見てくれた人で、幸いにもこんな奴のやり方を参考にしようと思ってくれる、という方がいたとして、「歴史まで作るのはちょっと…」と思うのならば、全然それでいいと思います。
そんなこんなで創作の世界の歴史はほとんど、いやものによっては全く触れられることがないと言っていいようなものですが、私は歴史を作り込みます。個人的に「歴史の作り込み度」は世界観の解像度、彩度に直接影響すると思っています。
まあ私が歴史好きなので、歴史好きバイアスもあると思いますが…。
本編ここから
というわけでこの回では
「歴史を作り込むのはちょっと…、でも、多少は充実させたいな」
くらいのノリの歴史を考えていきます。要点と略史です。かなり複雑になると思うので、地理編みたいに私の世界「ヴェリタス」で何を設定したかは書かないことにします。
歴史と言ってもベースは創作ですから、軽いノリで作る歴史で一番充実していくのは創作内容に直結する情報です。
例えば、
・政治体制
・外交関係
・インフラ
・ギルドなどの職業制度
などでしょうか。これらは他の諸先輩方のファンタジー作品でもよく登場していると思います。例えば、国王がいて、冒険者ギルドがあって、街道を旅すると隣国からの行商人がいる、といった感じですね。
たとえ現代(創作の舞台になる時代)についてこれらを設定するだけでも、のちのち矛盾なくスムーズに書き進められると思います。
ではまずこれらについて色々設定していきます。
政治体制。ファンタジーでは主に王がいるかどうかが論点だと思います。確かに、中世といえば、王がいるイメージですよね。主人公が暮らす国、もしくは主に舞台となる国を中心に政治体制を設定します。以下の観点から判断していきます。
・王政か共和制か?
権力を持つのが王か、それ以外(国民や、貴族の集まり)か。
・無理難題、理不尽アリか?
王政はいますぐ理不尽でき、共和制は王政以上の無理難題を課せられます。
王政だとほとんどの場合王や皇帝など個人に権力があるので、簡単に主人公に無理難題を課したり、理不尽に追い出せます。共和制では主に不特定多数の合意で政治が行われるので安直に無茶できませんが、筋さえ通せば(もしくは圧倒的に政治が腐敗していれば)王政以上の難題を国の代表として押し付け、重責を負わせられます。
・地球文明と照らし合わせてみて!
時代設定にも注意したほうがいいです。私達は地球人である以上、大きく地球文明と離れた設定はときに違和感を生みます。ヨーロッパでは、中世の主流は王政だし、近代は共和制が多数派になります。それぞれ例外もあるので理屈を通すことはできますが面倒なら時代設定に合わせちゃうのも手です。
次に外交関係です。もし自身の異世界地図、それも国境付きのものを作っているような方がいたら最高です。これはめちゃめちゃ作りやすいと思います。
外交関係でも上と同様に、周辺諸国の設定これはやっとけリストを書こうと思います。
・国名、場所、主人公の国との関係
これは、まあ、特にコメントはありません。関係に関しては「強い軍事力、戦争中」「友好的、同盟関係にある」くらいでもいいと思います。
・交易路
例えば「行商人の行き来盛ん」「船での交易」など端的にメモしたら無問題かと。
どんどん行きます。インフラです。とは言うもののほとんど道路くらいしか考えるものはないと思います。特に主人公に旅させたい人は作り込んでもいいかもです。
・街道
街道、と書きましたが、行き来可能な交通路があるのか(政治的にも物理的にも通行可能か)、という意味です。要は、主人公の国から他国に出ていけるルートを作ればいいです。
・海路
同様に、主人公の国を船で出たときに入れる港を設定します。
最後に職業制度です。これに関して言えばもうやりたいようにやっていいと思います。いくつか組織的な職業を上げておきます。
・隊商
いわゆるキャラバンです。家畜を連れた行商人など旅人が集団で身を守るために隊列を組んで遠くの世界まで旅に出ます。その目的は聖地巡礼、行商など様々ですが、その場だけの組織にしろ秩序を保つために隊長がいて、水場、旅程などを管理したそうです。冒険物語で使えそうです。
・ギルド
おなじみの職業組合です。ギルドには商人ギルド、職業ギルドの二種類があります。領主によって自治が認められた都市などではこれらギルドが市政に参加できます。職人ギルドで主に市政を行えるのは親方など一部の上位層で、ギルドに入ると弟子入りのような形で下っ端から始まります。
そう考えると冒険者ギルド、市政に興味のない冒険者を雇って上部の人間は望み通り市政に参加できる、という素晴らしい制度だと思います。
ちょっと長くなってしまいました。一番ざっくりした設定だと、これくらいがいいかと思います。結局「歴史」までたどり着けませんでしたが、次回からは細かくやっていけたらいいな、と思っています。
本気で異世界を構築する〜手探り構想メモ編〜 本気で異世界小説をつくる人 @WMA
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