第5話 魔法の特訓です!
「そ・れ・よ・り、ゼスカちゃんはどうして森に来たの?もしかして何か
山菜とか探してる?もしそうなら手伝うよ!」
「あー……」
おい待て、これは一体なんて申すべきなんだ……?正直に前世の力がどれくらい引き継げているか試していました!とかでいいのか?いやそれとも……。
そうして私は少し考えた後、告げる。
「実はねー、ここで魔法の練習しようとしてたんだー。ほら、ここなら周りの人達に迷惑かからなそうだし。それに学園って試験とかで合格しないと入れないでしょ?今のうちから練習しておいて損はないかなーって」
たどり着いた結論、それは自分自身も魔法の練習をしようとしていたと言い張ることだ。
なにもやましいことはない、ただ正直に言ったとしても言ってもこの歳の子供にはあまり理解し難いような話で有ることは確かなのだ。
「あそっか!ゼスカも学園に受かるためにちゃんと練習しようとしてたんだね!じゃあさ、今度からは私と一緒に特訓しない??」」
「え?リアと?」
「うんうん!一人でやるよりそっちの方が楽しいと思う!」
と言われてもなぁ、私も出来れば一緒に特訓したいし、なんならリアには魔術の基礎や色んな魔法を覚えさせてあげたい。
けど7歳で異様なほどに魔法に対して博識だったらおかしいよなぁ……。
リアが私の親に「ゼスカちゃん魔法いっぱい知ってた~」とか告げようものなら最後、それはそれで面倒くさい事になりそうだ。
なんて事を考えながら唸る事数十秒。
…………ここで一番の悪手はこの誘いを断ってしまう事、かな。
「うんいいよ、学園に受かるために一緒に頑張ろ?」
「やった♪よーし、そうと決まれば特訓だー!」
片腕をめいっぱい上に突き上げながら、リアが自身のやる気を体現する。
「んじゃとりあえず今からやろっか。でもその前に、リアは今どんな魔法を覚えてるの?」
「えっと、私は今はまだ氷魔法しか覚えてないの」
「うんうんなるほどなるほど、リアはどうして氷魔法を覚えようとしたの?」
「こう、なんていうかキレイだから!!」
キラキラとした瞳でリアがそう元気よく答える
わーすっごい女の子って感じだー。
「そっか、となると――リアには試験の日までには氷魔法全般覚えてもらおうかな」
「氷魔法全般?」
「うん。魔法には初級魔法って呼ばれる誰でも扱える簡単な物から、最上位魔法と呼ばれる魔法使いの中でも突出した才能の持ち主じゃないと到底扱えないような魔法があるんだけど――せめて、最上位の一つ下である上位魔法くらいまでは覚えてほしいかな。もしある程度習得したら、今度は“魔眼”を教えてあげる」
――魔眼、それは眼そのものに魔力を宿す事によって発現する力。
魔眼の能力は自身が持つ魔力の“色”によって決まり、おおまかに4つの種類がある。
色が青であれば“耐性の魔眼”
使用者の身体を強固にし、麻痺や毒などその他諸々の状態異常を無効にする耐久性能を底上する魔眼。
前世の頃は最も使い手が多かった魔眼だ。
赤色であれば“束縛の魔眼”
これを使用すれば無条件で相手の動きを止める事が出来る魔眼。
一番当たりの魔眼であり、使える人間は極小数だった。
これさえあればぶっちゃけ魔法を使わなくてもなんとかなるが、耐性の魔眼を使われると普通に束縛が解かれる為油断は禁物だ。
黄色であれば“
一定の空間に存在する生物、無機物を含む全ての物を把握する事が出来る魔眼。
これも……当たりと言われれば当たりかもしれないがぶっちゃけ魔力感知を使えば生物くらいなら居場所が分かる為普通くらいだろう。
緑色であれば“
人の動きから葉が風に靡く動きまで、ありとあらゆるものを遅く見る事を可能とする魔眼。
まぁ簡単に言えば上質な動体視力を得られるという力だ。
そしてもちろん、これらはすべて使用者の魔力操作の精度、魔力の質によって効果は上昇する。
ただ肝心な点が一つある、それは――魔眼は基本、4つの内のどれか一つだけしか使えないと言うこと。
それは何故か――言うなれば、人は基本的に一色しか魔力の色を持つ事が無いからだ。
しかし、もちろん例外はある。
私こと、ハイゼス・シーヴァルは正にその例外だった。
私はすべての魔眼を使用することが出来た。
それ即ち――青、赤、黄色、緑。
それらすべての魔力の色を持っているという事。
いつしか人は私の持つ魔力を“
全ての魔力の色が織りなす鮮やかな魔力――それこそ、私が世界最強と謳われる所以の一つなのだ。
実力のインフレが過ぎる時代に転生したんだが @Nier_o
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