シャンプーマン。それは美容院を訪れるお客様の髪をカットするのでなく洗う、言わばアシスタントである。だがしかし! 主に新人が担うこの任を最高の誇りをもって請け負い、最高の技術をもって遂行する“わたし”がいた! これはシャンプーを極めんと日々務め、努める戦士の手記である。
シャンプーで指名が入るレベルの達人級シャンプーマンの奮闘記、“調子”がまさに絶妙なのですよ。歯切れのいい状況描写にからっとした心情描写を添えて、たんたんたん、畳みかけるように記された文章はまさに名調子!
しかもそれが一本調子じゃないのです。シャンプーへの尽きない情熱あり、シャンプーの重要性を誰より理解しているからこその苦しみや苛立ちあり、シャンプーを通して心を通わせたお客様との一幕あり……いろいろな角度からまるで焦点をずらすことなく語り上げられた「シャンプーマン」の姿、ハードボイルドみすら感じてしまいました。
理容院好きの方も、本作を読めば一度は美容院へ行ってみたくなること間違いなしですよ!
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=高橋剛)
皆さんは美容院で、何を期待しますか?
かわいく、かっこよく、美しく?
それまでの過程は決して平坦ではないですよね。
髪が顔にかかったり、冷たい薬剤が頭皮を刺激したり。
お世辞にも気持ちイイとは言えない。
少なからずストレスが伴う者です。
シャンプーはといいますと。
美容技術で唯一気持ちいいと言える癒しの技術サービスです。
そして、アシスタントスタッフにとっては、唯一の腕の見せ所です。
日々、期待に胸を膨らませ、シャンプー台に横たわるお客様と真摯に向き合い、尽力するシャンプーマン。
そんな姿を是非、応援しましょう!
この時期って割とナーバスになりがちだったりするんですよ。
一番離職率も高い時期ですし。
けど、このエッセイに愚痴はありません。
あるのは、自分との闘いとシャンプーマンとしての誇り。
このエッセイが更新され続ける限り、見守りたいと思います。