夢廿夜〜人喰いリップのスカイツリバタ子〜

青女

夢廿夜

ストレスで鼓動が暴れ寝つけぬ夜 眠るよに死にたいと願う夜


知らないバスケ部男子の微笑みも温度も湿度もない青春


幽霊が髪で撓垂れ夢枕 僕の寝顔をジャガイモと呼ぶ


金縛り薄目で正体見破れり半透明の爺の鼻息


「ツボ」の意味解らず寝間で泣き明かす幼き奇問は一睡も許さず


鏡像は香水甘く厚化粧 困窮するほど小蝿は集る


暗所視に炊飯予約の緑色 一寸刻みに僕を蝕む


ジャーキング 夢と現の地境でてのひらの脈が生命を歌う


俗評が三半規管にこびりつき希望の朝日に眩暈が踊る


運命の恋に枕を濡らす鬼… 気になる続きはWEBで検索★


我が夢に出娑婆るきゃつが人呼んで「人喰いリップのスカイツリバタ子」


リクルートルックの群れが空を飛ぶ「ルネ・マグリット」を出力しました


灰色に染まりし偽の空に酔ふ 極彩色の浮世よ然らば


夢女子に現実味を求めるなかれ 我は地球が惚れる美少女


三匹の猫が経営するカフェの看板メニューは自家製コピルアク


鬱血にビビって手を止める僕は夢境でさえも奴を殺せない


広戸風 安心急かす親のため今宵僕らは結婚するよ


亡き祖父の痩けた背中に謝りて振り向く際に目の覚める宵


明晰夢 改竄していく物語 逃げたかったら逃げていいんだよ


眠るよに死んだら残業終わらない 早く明日へ帰らせてくれ

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