不幸の少年!過去に戻って人生最高!!

シャチ

第1話

俺の名前は、久我涼介。(くが りょうすけ)冴えない普通のサラリーマンだ。現在、営業にて取引先から会社に戻っている途中で大雨に襲われて雨宿りをして居た。不運な事に傘を持って居なかった。俺は昔から不幸だった。幼くして両親を亡くして親戚中を彷徨い高校生一年の時に家を追い出されて、学費も払えなくなった俺は高校を中退して数年前まで暴力団に入って居た。そして、足を洗ってカタギに戻ってせっせと仕事をしていた。



「……何が今日から俺は家族だだ。俺はその言葉が一番嫌いだっつーの」



親戚中を彷徨った時に必ず言われた言葉。アイツらは家族じゃない。赤の他人だ…。でも、そんな俺でも夢があった……プロの野球選手になるって言う夢が…しかし、その夢はあの日以降無理な物になった。ッチ…もし、生まれ変わったらちっとはマシな環境になってると願いたいね…



「雨…やみそうにねぇな…」



会社に電話して置くか?俺はそう思いカバンからスマホを取り出すと突然ーー



ガッシャーーン!!



え?何が起きた……?



「ガハァ…」



久我は突然、突っ込んで来たトラックに轢かれてこの世を去った。そして、久我は目を醒めると知らない女性の手の平の上に居た。



「ここは……」



何だか不思議な気分だ…



「私の名はクロエル。人間界で言うところの神です。単刀直入に言います。久我涼介さん。貴方は死にました。貴方の魂の審査をした所によると……貴方には三つの選択権が与えられます。一つ……天国に行けます。二つ目は…貴方は一時期、悪事に手を染めて居ました。それを償う為に地獄に行きます。そして、三つ目は……転生です」



転生……



「転生ってアレですか?異世界とかに行けるって奴の…」



クロエルは無言で縦に首を振った。



「異世界より、俺は過去に戻りたいです。過去に戻って全てをやり直したい。そうすればきっと俺は暴力団に入る事もなく親戚中を彷徨う事もなくグレる事もないと思います」



するとクロエルはーー



「ふふっ。貴方みたいな人は珍しいですね。罪を償う為に過去に戻るですか……。良いでしょう。久我涼介さん。貴方の過去に転生を認めます!良き人生を……特典として貴方には記憶力の強化とスキルの使用が許可されます。若干ですが過去に影響がありますが、頑張って下さい」



ゆっくりと俺の瞼は再び重くなって視界は暗闇に染まったーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不幸の少年!過去に戻って人生最高!! シャチ @takenoko1

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る