最終話 終焉

「まず、僕が会議場に入り、様子を見る。こちらの情報が漏れていなければ、この時点では問題は起きないはずだ。次に、凛が外から奇襲をかける。そして、混乱している奴らを僕が倒す。


 これが大雑把な計画だった。単純そうに見えるかもしれないが、これが何か月もかけて凛と一緒に練り上げたものだった。


 そして、あと10分で計画が始まる。僕と凛は会議場から1キロほど離れた場所で待機していた。僕は緊張していなかったが、凛はひどく緊張しているようだった。


 あっという間に10分が経ち、凛に合図をしてその場を離れる。


 会議場に着くと、僕は違和感を感じた。なんだろう、この感じ……


 ***


 彼が先に行ってしまったので、一人になってしまう。私は容姿には自信があるが、人と話すのは苦手だ。そういう点では彼と共感できた。しかし、そんな彼と話せる機会はもうないのかもしれない。この計画は命を懸けた賭けなのだから。


 ***


 会議場の中に入り、いつもの部屋に向かう。入口からかなり遠い部屋なのだが、誰とも会わなかった。いつもなら何人もすれ違っていたのに。そして、会議室についた。何の変哲もない扉。しかし、何か計り知れないものが待ち構えているような気がした。手がすくむ。


「大丈夫。僕は強いから」


 そう口にして、僕は扉を開けた。


 ***


「彼は今頃どうなっているかな~」


 私は髪の毛をいじりながら隣にいる人に話しかける。すると、彼は「そろそろ確認にいきましょう、。」と言った。


 私は軽くうなずいて、会議室に瞬間移動した。そして、案の定、目の前には軍服を着て整列している軍隊がいた。


「無事、


 リーダーらしき人がそう言い、のようなものを渡してきた。私はそれを受け取り、周りの軍隊と共に別の場所に瞬間移動する。


 戦闘力が弱いとはいえ、やっぱり軍隊と手を組んでおいてよかった。予想外だったのは彼以外の神を殺すのに思ったより時間がかかったことかしら。まあ、そんなことどうでもいい。彼を封印できたのだから、もう脅威はない。

 箱に向かって、「天地を支配し、人知を越えてすぐれている存在として崇められているなのに、たいしたことなかったわね。」と言い放って私はその場を去った。


 そして、私は日本を支配するための「第2の計画」の実行に向けて動き始めるのだった。


 完

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青春の片隅で ~陰の物語~ ろん11号 @ronron115

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