第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部

ちょっと戯れただけ

女だけ 飲んで暴れて 気分良く

不幸の始まり 記憶なし

徹麻明け 喫茶のブランチ 息をつく

さあ十時だよ ちんじゃらら

たくさんの オヤジに囲まれ 紅一点

立喰いそば屋で バースデイ

コンタクト 似合わないねと 微笑まれ

一瞬世界が 凍りつく

夕立に 頭殴られ 星が飛び

秋の予感も まだ休みボケ

曇天に 季節はずれの キモンシロ

呆けた我の 脳を吸う

傘さして遠方より来るあの人を

迎えて震える 朝顔一輪

約束の 時間を違えて 気まずくて

千切れた言葉の 間を縫う雨音

ゴーグルを 付けて玉葱 刻む彼

とくに意味なし 競泳パンツ

君の夢 見たこと無いけど 君が好き

言わんでいいこと 言わんでよろし

結婚しよ 早い早いよ 早まるな

ちょっと待てって ぜんぜん早い

太るから 食を控えて 煙草吸い

吸いすぎ毒だと 飴なめる

夕暮れの 色に肌染む 露天の湯

雄々しき富士に 見つめられ

煩悩の 赴くままに 生活し

いつでも明るく 元気な子

あなたに届くかもしれないＳＯＳを

今夜もＭ７８星雲に送る

清き森 無くとも堤に 守られて

開けてびっくり トンビ舞う

立ちすくむ私の前で柱時計の振り子は

いつまでも左右に振れ続ける

触れ合わぬ肌の温もり思い馳せ

両手で包むコップ酒

四の五言う連れに心が折れる音

ポキっ？バキバキ？どっちでもいい

夜が明け窓を開ければカラス舞う

殺伐殺伐大好きな町の朝