第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部

海野夏

いつまでもあると思っていた母の小さな背中 骨の感触

ずっと親はいるものだと漠然と思っていた。

そんなはずがないのに、なぜかそう思っていた。

私が歳を重ねると同時に私の親も歳を重ねていて、いつかきっといなくなる日が来る。

なんとなく母の背中に触れた時に、記憶にあったサイズ感より小さくなっていたことに気づいた。

記憶にあるかつての母の背中にはもう触れられない。あとどれだけこうして小さくなってしまった背中に触れられるだろうかと、気づいて怖くなった。

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第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部 海野夏 @penguin_blue

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