第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト/二十句部門/淡海の海

近江菫花

淡海の海

①沖島へ自転車に積む春の風

②行く春やンゴロンゴロの生豆煎る

③寺町に夜告げる鐘猫の恋

④自鳴琴ラルゴにラの音鳴る遅日

⑤晩春の余呉に油彩の青絵の具

⑥公魚や五連の仕掛なお投げる

⑦禅林寺七条一帯大夕焼

⑧道化師のドン・キホーテへ青嵐

⑨鍵盤を拙きショパン窓若葉

⑩半夏生また折り畳む包装紙

⑪芋車針江生水に水豊か

⑫喉黒の目ん玉しゃぶる秋袷

⑬蓮根掘りラジオの歌に声返す

⑭万人の謳うフロイデ冬至の夜

⑮シリウスの青回送のバスの赤

⑯クリスマス遠巻きに聴く駅ピアノ

⑰双塔の旧図書館降り積る雪

⑱寒釣やダムの水底底の家

⑲冬銀河トスカの果てし淡海の海

⑳指先にペンを転がす四日かな

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト/二十句部門/淡海の海 近江菫花 @ohmitohka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る