(ハーメルンの推薦欄に記載したもののコピペです)
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
貴方は、ホロコーストについてご存じだろうか。
少なくとも、まったく何も知らないという人は少数派だろう。
義務教育や高校の授業、あるいはインターネットなどで知った方も多いかもしれない。
その中で、自分事と捉えられた方は何人おられるだろう。まったくいないとも思わないが、少なくともほとんどの方はこういう風に思われたのではなかろうか。
「恐ろしい時代だなあ。なんでこんなことができるんだろう。こんなことはしちゃいけないなぁ。」
どこか、他人事であったのではなかろうか。遠い昔のように思えて、地続きだと思えなかったのではないか。
もし、貴方がそんな帝冠の栄光から敗戦の恥辱にまみれ、狂気の道に突き進んだ時代に庶民としていまの価値観を、知識を持って生まれたとしたらあなたはどうするだろう。
これは、そんな時代に矛盾を抱えながら、ある意味人間らしく生き続けた男の物語です。
ぜひご一読あれ。
▼読む際の注意事項など
主人公は、人道に反する行為も無論行っています。
私たちは夢想する。
異世界ゲーム転生モノを読んで夢想する。将来その世界で起きることが判っていたのなら、そして親ガチャに成功したのなら、どれだけ無双できるかと夢想する。
もちろんそれは悪いことではない。
ただ、世界が、時代が、国が、それを許す余裕があるだけのことだ。ちからに流されることがなぜいけないのだ?
でも……貴方自身はその夢想を、無双を許せるのか?
その問いかけが、現時点のカクヨム版あらすじにある「貴方はドイツに転生しました」という文章に込められています。そしてキャッチコピーはその答えである、と私は思うのです。違うかも知んないけど。
幼女戦記に心躍るかた、大脱走という古い映画を見たことがあるかたにお勧め。
14読/14続にてレビュー。
自分は小説を書く者ではありませんが、何らかの創作をするには、自身の精神状態が安定出来る状況でなければならないと、経験的に思っています。心が安静しての創作活動での結果としての創作物の結実。である筈なのに、何故ゆえに作者様はこの様な物語が書けるのか。どの様な精神状態を保てば、この様な陰鬱な小説を書き続けることが出来るのか。
転生して未来の記憶を活用して無双する(?)小説なのに、読んでいて、とてもとてもつらいです。最初から最新話まで、ずっと涙まみれで読んでいます。つらいだけなら、読むのを止めればよいのですが、それだけは拒否します。続きがもっと読みたいです。自分の人生観やこれまでの言動に反省と懺悔と悔恨を呼び起こす小説です。ですが、今日も明日も変わることなく、自分は生きて行くのだろう、とも思わせる小説です。
最後にひとつだけ言わせて。大傑作です。