稚児に風重し屋台の風車
「こら、あんまり遠くに行っちゃったら迷子になるわよ」
「ふふふ、へへへ、ははは」
わたしはまだ5歳くらいの息子と一緒に、縁日に来ていた。
それにしてもまあ子供は元気である。体はちっちゃいくせにエネルギーは底なしのようだ。縁日だから興奮しているのかもしれない。
金魚すくい、射的、きゅうりの一本漬け・・・・・・
実にいろいろな屋台が出ていて、とても賑わっている。
わたしは風車を買ってあげた。これを掲げて走るとくるくるとまわっていく。
くるくるくる、くるくるくる
どこまでも回る。エネルギーは尽きない。
息子は風車を回している。まだ5歳の息子。
彼も、ちょっとずつ大人になってゆくのだろう。その頃には、わたしはもうお婆ちゃんだけど。
でも今は、風車を回している。
かれの玉のような手に、風車を通して振動が、風の重みが伝わる。風がくっと棒を押し付ける。
プラスチック製の、ぺらぺらした羽をもつ
一晩中ゐた東屋に花薊 橘花 @citrus323
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。一晩中ゐた東屋に花薊の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます