一晩中ゐた東屋に花薊

しとらす

一晩中ゐた東屋に花薊

っ!

もうやってられない!

こんな世界でていってやる!


最近細々としたことが色々と癪で、溜まりにたまった鬱憤が爆発した。全てが嫌になった。


外に出るともうすっかり日はくれていて、電灯が微明く光っている。しばらく歩いていると公園に行き当たった。ここらでは一番大きな公園だ。所在ないのに任せてわたしは東屋に座った。


ただ夜の音だけが響く。玉響、万劫、そんな時間がたつ。

私は夜になっていく。

人間の町で、人間から逃げてきたナニか。

私を守るものはなにもない......


気がついたら空が白んでいた。

近くに花薊がさいていた。


「薊だ」


そうして、私は人間たちのもとに戻った。

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