恋も愛も、甘くて苦いもの。真実に気づく薬が苦い理由、あなたは知っていますか?
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 女性の皆さん!こういう男性が恋人になってくれたら、良いですね?
(いみエモ話)
意味がわかると、エモイ話。
あなたは、この話の意味がわかりますか?
☆
恋も愛も、甘くて苦いもの。
「ちゃんと、飲んでいるのか?」
恋人の男性が、気持ちが不安定な女性に言い放つ。
「今日も、渡すから。飲んでくれよ?」
いつものように、カプセル状の薬を渡される女性。
「お前のための、薬なんだぞ」
ケンカも多いが、気づかいも多い男性。
「町が物騒になって、お前が心配」
「ありがとう」
たしかに、物騒。
町の女性が眠らされ、金を盗まれる事件が起きていた。
「それにしても…。この薬、苦くていや」
恋人にもらった薬に、不満。
「あの人にもらう薬なら、甘くて良いのにな」
あの人とは、駅前にできたクリニックにいる男性医師。
彼女が、今気になっている人。
恋人にはナイショで、そこでも薬をもらっていた。
「私って、悪女だなぁ」
と、友だちからLINEがきた。
「あんたの好きな医者がつかまったよ」
…え。
「女性が眠らされ金を盗まれる事件」の、犯人だったらしい。
「ああ、ムシャクシャする!」
思わず、恋人にもらっていた薬を口の中に放り込んでいた。
薬を飲み続けて、数週間。
「苦い、苦い。けれど、今は…」
涙、涙。
今の彼女の口からは、「ありがとう」の言葉しか出てこない。
(この話の意味)
彼女の涙が止まらないのは、真実に気づけたから。
恋人は、頭が良く彼女思いの男性。
すべて、わかっていた。
「あいつなら、駅前クリニックの男に甘い薬をもらいにいくだろうな。真実をかくす、あの甘すぎる薬を…」
心配も、心配。
「真実に気づく薬」を、飲ませなければならない。
そこで恋人は、彼女に、薬を苦くして渡していたんだな。
口直しに、ちょうど合うように。
さて…。
こう疑問になる人も、出るだろう。
「そこまでわかっていた恋人は、なぜ、彼女が外出するのを許してしまったのか?」
ナイショで、他の人からも薬をもらっていたんだけど?
それは、きっと…。
彼女の思いを、傷付けたくなかったから。
「恋も愛も、甘くて苦いもの」
そう、彼女自身に気付いてほしかったんだよ。
すべては、彼女をいろいろ気づかってくれた恋人のおかげ?
困った医師が、いてくれたおかげ?
いろいろな意味で、「ありがとう」。
エモいなあ。
恋も愛も、甘くて苦いもの。真実に気づく薬が苦い理由、あなたは知っていますか? 冒険者たちのぽかぽか酒場 @6935
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます