水無月や 早苗煌く 巫女舞の 琴の音鳴りつる 狐の山に

 二千二十四年六月二日

水無月や 早苗煌く 巫女舞の 琴の音鳴りつる 狐の山に


 この日は中学時代の友達と、伏見へ行ったんだ。彼も上京してきていて、久しぶりに遊びに行った。……想像の二十倍くらい人がいたけど。帰ろうとしたとき、ちょうど琴の音が鳴って、音の方向へ向かう途中、伏見版どろんこ祭りみたいなポスターが在った。それとは違ったようだけど、どうやら巫女舞をしていたらしい。って退席する巫女さんたちを見て思った。早苗に田楽、どろんこ祭り。父の故郷では人馬牛不足で廃止されたけど、きっとこっちでは盛況だろう。当日は、きっと早苗が日に煌き、巫女舞が、そしてなによりもきっぱりとした琴の音が、お狐さんの山に響くに違いない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

感傷 琴葉 刹那 @kotonoha_setuna

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ