春夏秋冬

真堂 美木 (しんどう みき)

 春夏秋冬 

てくてくと 山吹愛でる 春うらら 

ぼんぼりの 賑やかさ消す 桜かな

桜散り 水面流るる 夢現つ

雨粒を 纏う葉桜 艶やかに

朝陽浴び さえずる鳥に 山笑う


儚げな 蛍火の舞 夜に浮く

憂鬱も ひと息つきし 梅雨の月

しめやかに 夏至の雨粒 地を描く

君恋し 山紫陽花の 色変わり

崩れゆく 蝉の亡骸 夢のあと


秋北斗 暗き夜空に 煌々と

虫時雨 輝く月の 伴奏か

秋没日あきいりひ 染まりし雲の 恋慕かと

清らかに 闇夜を照らす 名月か

秋麗あきうらら 揺れる枝葉の 染まる朱


暗闇を 包む静けき 聖夜かな

山間に 除夜の鐘の しみいりて

万物を 清めたるかな 初日の出 

雪うさぎ 幼き頃を 思い出し

綿雪と 空を舞い翔ぶ 番かな

  



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

春夏秋冬 真堂 美木 (しんどう みき) @mamiobba7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ