短歌二十連作

たたり

人生の旅路

あかねさす

日差しの中で 遊びつつ

夢の彼方に 走る子供ら


花咲くや

春の庭先 駆け回る

無邪気な笑顔 光り輝く


み吉野の

山の辺に咲く 梅の花

香りに誘われ 初めての春


風そよぐ

夏の夕暮れ 虫の音に

耳を澄ませば 広がる世界




袖ひちて

流れの川の 岸辺には

桜舞い散る 淡き恋心


月影に

照らされ歩む 帰り道

心はずませ 明日を夢見る


夕闇の

迫る校庭 仲間と共に

笑い声響く 青春の刻


紅の

夕陽に染まる 海原に

沈む思いを 抱きしめて立つ




千早振る

神代も聞かぬ 新たなる

道を拓いて 未来を描く


松風の

音に耳寄せ 誓い合う

二人の道に 光を求め


子の手引き

歩む日々には 笑い声

響く家路に 幸せ溢れ


秋風に

乗せた想いは 遥か彼方

夢追いかける 旅の途中で




夕映えの

山の端に立ち 振り返る

過ぎ去りし日々 尊き時間


玉の緒の

絆を強く 結びつつ

家族の幸せ 祈り続けて


風の音

聞こえる夜に 語り合う

仲間と共に 絆深めて


冬の夜

灯火の下 新たなる

夢を語らい 希望を描く




梅雨晴れの

庭に咲く花 眺めつつ

思い出の糸 紡ぎ続ける


静けさの

夜半に響く 鐘の音に

心安らぐ 老いのひととき


故郷の

山並み遠く 眺めつつ

心の旅を 続ける日々に


あしびきの

山の端照らす 朝の陽に

感謝の心 満ちて旅終わる


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短歌二十連作 たたり @tatarikuro

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