第二回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句部門

島風ひゅーが

鬼の舌


 独楽遊び神は地球を廻しけり




 うららかや猫のあくびが移る午後




 法螺を吹く口なめらかに春の風




 宇宙より飛来せし種子木ノ芽立ち




 西行忌偲ぶ桜の下に猫




 夕立にきみの手を引く港かな




 UFOが西へ東へ花見かな




 捨て猫の上に傘差す緑雨かな




 聖五月本の栞は鬼の舌




 手のひらの宇宙さざめく夏の風




 夏館暗号解くまでゐるつもり




 浴衣着たきみが無口な夏祭り





 湿りたる手は離すまじ夏祭り




 

 河童にも色男ゐて夏の月





 法師蝉鳴ひて誰かの慶弔欄




 ひと夏のページの終わり遠花火




 神様の筆の先から鰯雲




 みちのくの山静かなり賢治の忌




 少年のナイフで月の皮を剥く




 目印はあの木菟よ魔界へと










 




 




 




 






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