ジュブナイル

ジュブナイル

密輸入された苗木に花はつきますか育ちますか子供は

背の順に並ばされては背伸びしている　教室のメダカは産んだ

足して足して足して割（さ）かれる学校の中でわたしはあまり良くない

表彰者表彰されるそのあいだ天井を見た靴紐も見た

くちげんかてごろな蟻を踏み潰すように出てくる腹の底から

過不足のない人たちの群れとしてペットの飼えない団地　その影

何回もガラス食器の水垢を擦る泣くときはひとりで流す

朝焼けがくるきてしまうきたときは身体丸めてしまうんだ　くる

最近は取り返しつかないこともする古紙回収されてすずしい

処方せん受け取って空が今まで忘れた傘の数だけ青い

空蝉の寝言のようなそよかぜがつーかしていくまちをからだを

決められた規律を守る大人なら欠かさず水をやる　大人なら

（眠れない未だ気温はさがらない猫が盛ってうるさい）熱帯

アサガオが蔦を絡めて花ひらくあの子には処女喪失のうわさ

剃毛は他人のためのそういえば母の下腹部にはふるい傷

お互いに近づく手と手の距離aを求めよ（ただし、初恋とする）

てのひらの汗ぬるくして繋ぐ赤だからまだうごいてはいけない

あとは色褪せるのみえにっきは銀河鉄道自由落下の軌跡

略解にあまねく過程は省かれて髪を結べば情事のおわり

Time waits for no one　再開発の都市であなたも少年だった