捜02-05 郭璞活馬
彼は常に赤毛の馬に乗って戦いに明け暮れ、その馬を大いに愛していた。しかしある日、自室の前に繋いでいたところ、突如として腹が膨れ、間もなくして死んでしまった。
この頃、後に
「將軍はいま愛馬を喪ったばかりで、その死を大いに悲しんでおられるのだ」
「ならばわしを通すべきです。こう仰られよ、わしならば生き返らせられる、と。きっとわしに会いたくもなりましょう」
門吏はそれを聞くと大いに喜び、趙固のもとに報告した。趙固もまた踊り出すように立ち上がり門吏に郭璞を即招くよう命じた。はじめ軽く時節の挨拶を交すと、さっそく話題が馬のことになる。
「そなた、我が馬を生き返らせられるそうだな?」
「なしえましょう」
趙固は喜色を浮かべる。
「術に入り用なものはあろうか?」
「そなたと思いを同じくする健兒を二、三十人ほど集め、皆には竹竿を持たせ、東に三十里ほど行かせられよ。そこには多くの木が生えた丘陵がございます。その外観はまるで社廟かのよう。この場にて騒ぎ立てながら、竹竿にて叩くのです。さすれば一なるものを得ますので、それをすぐに持ち帰ませ。これさえ手に入れば馬は蘇りましょう」
そこで趙固は側仕えの驍勇の士五十人にすぐに向かわせた。郭璞の言ったとおりにすると、一頭の猿に似た生き物が林から飛び出してきた。壮士らがその生き物を捕らえ、風呂敷に包んで持ち帰る。
さて、趙固の屋敷の近くにいたる。謎の生き物は遠くで馬が倒れているのを見ると、いきなり風呂敷から飛び出し、馬に向かって駆けだした。郭璞は「放っておきなさい」という。すると謎の生き物は馬の頭の前に立ち、鼻を咥えると、ずぞ、と何かを吸い取った。間もなくして馬が起き上がり、いななくと、元気に駆け回りさえする。そんな馬の様子に皆が気を取られているうちにその謎の生物はいなくなっていた。
趙固は郭璞に厚く贈り物をした。この物資のおかげで郭璞は東晋にたどり着くことが叶ったのである。
趙固常乘一匹赤馬以戰征,甚所愛重。常繫所住齋前,忽腹脹,少時死。郭璞從北過,因往詣之。門吏云:「將軍好馬,甚愛惜。今死,甚懊惋。」璞便語門吏云:「可入通,道吾能活此馬,則必見我。」門吏聞之,驚喜,即啟固。固踴躍,令門吏走往迎之。始交寒溫,便問:「卿能活我馬乎?」璞曰:「我可活爾。」固忻喜,即問:「須何方術?」璞云:「得卿同心健兒二三十人,皆令持竹竿,於此東行三十里,當有邱陵林樹,狀若社廟。有此者,便當以竹竿攪擾打拍之。當得一物,便急持歸;既得此物,馬便活矣。」於是左右驍勇之士五十人,使去。果如璞言,得大叢林,有一物似猴而非,走出。人共逐得,便抱持歸。此物遥見死馬,便跳樑欲往。璞令放之,此物便自走往馬頭間,噓吸其鼻。良久,馬起,噴奮奔迅,便不見此物。固厚貲給,璞得過江左。
(捜神後記2-4)
郭璞さんの話もう意味わかんねえなこれ。
「この墓の配置からすれば明帝が貴方の家に訪れるよ」とか、
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884883338/episodes/1177354054885500303
「こうすれば王導様に落ちる雷回避できますよ」とか、
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884883338/episodes/1177354054885954980
いったいどういうことやねんなエピソードが多い。
この後ももうちょい郭璞さんの話が出てくるみたいです。どんな珍妙エピソードを見せられることになるんだ(わくわく)
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