姫と騎士
この国では現在まで穏健派と過激派で国が二分されていた。しかしつい先日過激派の貴族たちが団結してクーデターを起こしたのだ。
そのクーデターにより王と王妃、そしてその子供たちや彼らを警護していた近衛兵などが亡くなってしまったのだった。
しかし、唯一第二王女とそのお付きの騎士だけは未だに見つかっていない。そのためこの国ではこの2名が指名手配を受けているのだ。
――――――――――――――――――――
はぁ…妾たちはこれからどうすればいいのじゃ。
帰る家も頼れるところも分からぬ。
まさかこんなことになるとは…
「クリスト。これからどうするのじゃ?今はまだ隠れられておるがこのままこの場所には居続けられないじゃろう。」
そう言って彼女は自身のお付きの騎士であるクリストに向けて聞いた。
「もちろんそれはわかっています。アーリア様。」
「もうアーリアで良いと言っておるのに…様なんてつけたら怪しまれるじゃろ。」
「外ではちゃんと気をつけますから!……それでこれからのことですが、少し準備をしたらなるべく遠くの国へ行きましょう。そのためにも早めに冒険者登録をするつもりです。」
現在2人は国に追われているため国の中心から離れた街にいるのだがそのうち追っ手が来るだろうと言うのは理解している。そのため身分証代わりとなる冒険者カードを作りこの国から出ていくということをしようとしているのだ。
「そんなことしたら妾たちの場所がバレてしまうぞ!」
「安心してください。ここら辺だと流石にアーリア様の顔を知っている人はいないと思われますし名前さえ変えれば大丈夫です。
それに冒険者登録をしとかないと他の町にも入れませんし…」
「わかったのじゃ。しかし妾は戦うことは出来ぬぞ。」
「わかってます。アーリア様の分も私が頑張りますから。」
「わかったのじゃ。なら妾の偽名は何にするべきかの。」
「……そうですね。少し変えてアリーサとかはどうでしょうか?」
「うむ。それでいいと思うぞ。」
「では次はどこに向かうか決めましょう。」
「遠くといってもこの国と敵対しておるところはダメじゃぞ!」
「もちろんわかっていますよ。……そうですね。ならこことかどうでしょう。」
そう言ってクリストはカイトたちのダンジョンがある国を指した。
「ここであれば敵対もしていないですし冒険者も多い。私たちが訪れても疑われることは無いはずです。」
「そうなのか。妾はあまり国のことは詳しくないからのぅ。クリストが言うならばそこに行くので良いぞ。」
「では早速登録をしに行きましょう。方針も決まったことでしし早めに動いた方がいいですから。」
「わかったのじゃ。なら早速向かうとするぞ!」
そう言い2人は早速街にある冒険者ギルドへと向かうことにした。
少し歩くと目の前には冒険者ギルドと書かれた看板がある建物へと着いた。
中に入ると中は案の定騒がしくアリーサは耳をやられながらも受付へと向かっていった。
「クリスト。任せたのじゃ」
そういうとクリストは頷き受付嬢に、
「すみません。冒険者登録をしたいのですが…大丈夫ですか?」
と聞いた。受付嬢は
「もちろん構いませんよ。ではこちらに各々の情報をご記載ください。」
と言われ紙を渡された。
2人は早速嘘も入れつつある程度のことを書き終えると受付嬢に紙を渡した。
「クリストとアリーサですね。ではこれよりこの情報をもとにランク付けを行います。では最後にこちらの水晶にお触れ下さい。この水晶に触れることであなた方の大まかなレベルや犯罪歴の有無などを測定します。」
と言われ
「クリスト。妾たちは大丈夫じゃよな?」
「はい。」
と確認した後2人は水晶に触れた。
受付嬢は少し眺めてから
「アリーサさんはレベル10前後、クリストさんは30後半ですか。それに犯罪歴もないと。
…それでは2人の登録を行いますので少々お待ちください。
それと冒険者ギルドについて聞きたいことはありますか?」
「では簡単に冒険者やギルドの全体的な説明をお願いします。」
とクリストは頼んだ。
「かしこまりました。
冒険者ギルドはそこそこの人口がある街などに置かれており、一部例外を除いて小さい村などにはありません。
そしてギルドには冒険者がおりその人の実績や強さ、そして人望などを加味して五段階に分けられています。
そして一般的に一流と呼ばれている三ツ星からは指名依頼や昇格に試験を必要としています。
おふた方は初めての登録ということなので一ツ星からのスタートですがクリストさんの方はすぐにでも三ツ星に行けるかもしれませんので頑張ってください。
またギルドでは討伐した魔物の素材などを買い取っているので気軽にお売り下さい。
……冒険者登録が完了しました。
このカードを失くした場合再発行も出来ますが色々と大変なので無くさないようにお気をつけください。」
と言われ簡単な説明を受け無事に2人は冒険者登録を終わらせることが出来た。
「ありがとうございます。」
「ではお2人共頑張ってください。」
という受付嬢の言葉を後に2人はギルドから出ていった。
――――――――――――――――――
良ければ評価をお願いします。
監禁ダンジョンマスター!〜ダンジョンから出れない俺だけど眷属使って頑張ります!〜 スパルタンEX @gerogerosama0608
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。監禁ダンジョンマスター!〜ダンジョンから出れない俺だけど眷属使って頑張ります!〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます