王女と騎士

第二階層!



「姫様!早くこちらへ!」


 そう言った騎士は一人の女性を自分の元へ呼んだ。


「だがまだ父上が…」


「それはそうですがここで姫様も巻き込まれてしまえば王家を継ぐものが居なくなってしまいます!どうか着いてきてください。」


「う、うむ。だがここから逃げたところで妾達はどこえ向かえばいいと言うのじゃ?」


「それはできるだけ遠くにです。」


 そうして二人が会話をしていると奥の方から


 (おい!こっちから声が聞こえたぞ!)


 という声が聞こえてきた。


「とにかく今は早くこちらへ!」


「わかったのじゃ。」


 そう言って一人の騎士とお姫様が城から姿を消したのだった。


 ――――――――――――――――――――




 トウカを仲間に迎えた俺たちはその後も村人たちと協力をしつつ順調に成長していった。

 そして少し前に念願だった第二階層が開放されたのだ。

 早速俺は第二階層をいじることにした。と言ってもメインは第一階層で行い第二階層は生活空間にする予定だ。ただボス部屋は最下層に作らないといけないため一部屋だけボス部屋を作ってあとはダンジョン関係者しか入れないようにするつもりだ。


 ということでまずは第二階層が開放されたことで得られた新たな能力を見ないとだな。


「【階層ボス】

 これは各階層に一体ボスを設置することが出来ます。ボスとして設置された個体はボス部屋に限り死ぬことはありません。

 倒された場合は1時間のクールタイム後にボス部屋にて復活が可能です。

 また、階層ボスを設定した場合は宝箱に報酬を入れないと機能しないのでご注意ください。」


 おお!これはまたダンジョンらしい機能が追加されたな。にしても階層ボスか。これにあてはまりそうなのはトウカとファウストくらいだよな。


 しかも一階層をクリアされたらほぼ直通で二階層のボス部屋に行くように作るつもりだから実質一階層ダンジョンになるんだよなぁ。

 ならステータス的にもトウカにお願いするしかないか。

 と言いつつ今のところ一階層も突破されなそうだしあくまで保険的な感じだけどな。


 ちなみにトウカのステータスは


「名前:トウカ


 種族:オーガ


 レベル:50


 体力:2300/2300

 魔力:0/0

 運:90

 知力:45



 職業クラススキル:侍

 刀と呼ばれる武器を装備した際自身のステータスを倍にする。また、抜刀術、剣術のスキルが上級まで上がる。」


 という感じだ。ファウストやヘラに聞いたところこんなところにいていい魔物じゃないということらしい。

 かなりの当たりを引けたようでよかったと思ってる。



 さて、とりあえずまずはトウカにボスをやって貰えないか聞きに行くために恐らくヘラの特訓をしているであろうトウカの所へ向かうことにした。



 今使っている仮の生活スペースの一角で思った通りヘラとトウカがいた。俺は早速トウカにボスをやってもらえないかを聞くと快く受けてくれた。


 その後二人と少し会話をした後に早速二階層を作り始めることにした。とりあえず今の生活スペースをそのまま二階層に設置し直しつつ新しく追加していこうかな。


 そうしてしばらくいじってやっと二階層を作り終えた。

 まずは俺たちの部屋を作り、あとは一応の農園、大広間、訓練場的な部屋、そして温泉を設置した。

 特に大広間には台所やテーブル。あとは暇つぶしのリバーシなどのボードゲームをいくつか揃えた。

 あとは一人一人に何か欲しいものを1つ聞いてそれを買えば完成だ。


 この生活スペースと冒険者が入れるダンジョンは区切っており、俺が認めた者たちはダンジョン内の生活スペースと一般スペースを行き来することが出来る。

 ダンジョンマスターたちが暮らせる場所は区切っていいと知れたのはでかい。そのため、今の一階層は俺の庇護下にあるものの魔物たちが各々暮らしている感じだ。


 あの後もDPが順調にたまっていったおかげで、拡張をする分にはそこまで困らなくなってきたので拡張していたらいつの間にか一階層がそこそこの町レベルに大きくなっていった。なので冒険者たちも最深部まではほとんどたどり着けていない感じだ。


 まぁたどり着かなくても設置した宝箱から多少のものは得られるし俺が呼んで名をつけた二人以外は死んだら魔石とかも落とすし今来てる冒険者たちにとっては奥まで行く必要も無いらしいしな。



 という感じでダンジョンもリニューアルさせた俺はもう一度ヘラたちの所へ向かいヘラに何か得た情報はないか聞いた。


 村の人達と一応の和解をしある意味同盟関係となった俺たちはヘラやトウカに定期的に外の情報を得てくるようにお願いしていた。


 そういったこともありなにか目新しい情報がないかヘラに聞くと、


「そういえばアルスト王国でクーデターがあったらしいよ。なんでも過激派の貴族たちが宰相を使って王城へ攻め入って全員殺したらしいよ。でも第二王女様とそのお付の騎士だけは未だ見つかってないって。」


「クーデターって本当にあるんだな。怖いなぁ。」


「ボクはそんなことしないからね!


 あ、あとその影響で戦争に巻き込まれたくない冒険者たちがアルストから離れて色んなところに散っていったらしくてこのダンジョンにも来た冒険者がいるらしいよ。」


「それはいいけど強い冒険者は来ないど欲しいな。」


「と言ってもレベルは今までと変わりはないって言ってたよ。」


「ならいいか。」


「うん。……カイトは今日の用事終わった?もし終わったらボクとリバーシして欲しいな!

 トウカもファウストも強すぎるんだよね。」


「そうだな。なら後でやるか!」


「うん!」


 とヘラとリバーシをやろうかと話しているとずっと静かに聞いていたトウカが


「……私も参加したいのだがいいだろうか?」


 と聞いてきた。もちろん


「いいに決まってるよ。ならファウストも誘ってトーナメントやるか。」


「よし。なら私とヘラ対ファウストとカイト殿でやろう!」


 とノリノリのトウカであった。


 ――――――――――――――――――――


 今のところトウカは圧倒的に強いです。ただ条件が合えば冒頭にいた騎士の方が強いです。


 ある程度方向性が決まったのでできる範囲でまた投稿し始めます。


 どうか星一でもいいので評価してもらえるとモチベに繋がるのでお願いします。

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