第2話続く日々(2)
「んぅ?.....ねてた?」
そう彼が呟く。
「ちょっと寝すぎたな....」
空は薄く色づけられ、周りの景色は黄色くなっていた。
「食はあの大蛇の死骸があるし、住処を見つけないと...」
彼は四ツの足で体躯を持ち上げ足早に周りの木々を見て回った。
「こんだけ木があるなら樹洞があってもおかしくないんだけど....」
彼は大蛇の死骸を中心に円を描く様に探し回った。
「ん?....あれは?......」
途中彼は大蛇の死骸の横に倒れこむ灰茶色の棘を全身に持つ生き物を見かけたが....
「無理だな....放置しよう....」
そう判断した
(あの大きさの生き物が沢山居るとか無理だぞ....)
彼が少し見ただけでもその生き物は大蛇の1/3のサイズを持っていた。
「あの大蛇に迫る大きさとか.....と言うより今の俺のサイズはどれくらいなんだ?」
彼が新しい疑問を持ったとき。
「あ....」
ある木の根元に目線が行く。
「やっと見つけた....」
彼が近づく木の根元には木の中身が腐った様な乾燥した塊が散らばっており、その木の幹には黒い影が中に差していた。
「良い樹洞だ....良いか悪いか判らないけど....」
彼が見つけた樹洞は彼の全高より少し高く彼が寝るには十分すぎるほどの広さがあった。
「地面から木を登らず入れるのは不安だけど食料から遠いのも嫌だし近いのも危険だけどちょうどいい距離だからとりあえずの住居はここでいいだろ。」
彼の目線の先には大蛇の死骸と灰茶色の生き物があった。
「しばらく様子見かな....ただ寝ているだけの可能性もあるし、食事しているなら満足したら離れるだろ」
そう彼が呟き樹洞の中に足を運ぶ。
「うん...良い感じ....しばらくは暮らせるかな?」
彼が樹洞の中を見渡し考える。
「よく乾燥してるみたいだし病気の心配はなさそう.....下手に削ると木が折れそうだし狭くなったら別のところを探そう」
そう言うと彼はそこの床に全身を預ける。
「さて....」
彼は頭を左右に振り自分を観察する。
「ん~トカゲだな.....どう見てもトカゲだけどなんでイグアナとかの爪が付いてるんだ?.....それにトカゲっぽくない手?だし...」
彼は自分の手元?をよく観察する。
「
卵嘴とはカメや鳥類などが持つ卵を割るためのパーツである嘴の漢字を持つ通り口の先端についている、ちなみにイグアナにもあるのだが.....
「やわらかいな......」
彼が自分の手?で口を触るが.....
(どこも堅いところがない.....本当にトカゲみたいな口だ.....)
そして彼が爪を壁に突きつけると....
「堅い....感触を感じる....ありえない....」
思い出す最初のこと....自分を覆っていた被膜....
「あれは多分卵殻膜だったんだ....それで卵殻はあの大蛇の胃酸で溶けた....それにあの大蛇怖くてあんまりよく見てなかったけど確か額に角が.....」
彼は考える自分の記憶から、爪をもつ太く鋭いトカゲがいたか、額に角を持つ蛇がいたか....
「もしかしたら別世界かもな.....」
彼の眼には興味と恐怖の色が混ざっていた。
空は薄く青白い色をしていた。
ソレでも日々ヲ暮らす 久屋暮間 @kukosanndesu
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