第5話・後輩。

「せ ん ぱ い !」


放課後、俺が所属しているゲーム研究会の部室に入ると

1年生。俺の一個下の後輩、山岸瞳子が声をかけてきた


「さっきの、図書館での大江先輩との談議聞きましたよ~」

「なんでも、ムキチテキセイメイタイ?を作るとか?」


改めてそう言われると気恥ずかしい。

俺は居直って平気を装い。


「そうだよ。無機知的生命体を作り出すのは俺の長年の夢だ」

「へ~。すごいですね。ロボット博士になるんですか?」

「なれるものならなりたいね」

「へ~。ゲームオタクの椎野先輩にそんな夢があるとは……」

「君だって十分ゲームオタクじゃないか……」


山岸瞳子、fpsから格闘ゲーム、乙女ゲーまで何でもこなす筋金入りのゲームっ子だ。


「君は何か夢があるのかな?」

「夢ですか?夢ねぇ。ふつーにOLかな。できるならクリエイティブな仕事をしたいけど」


「ってことで先輩、今日も格ゲー10先しましょ」

「っていうことで、って脈絡ないなぁ」


今日の瞳子との10先は10:7で俺の勝ち。いつもは勝ったり負けたり、俺とここまでやれる女子はそうそういない。


「ん~。悔しいなぁ。コマ投げ対策がなぁ……」


瞳子は何やらぶつぶつ言いながら、自分の世界に入ってしまった。


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AIに見る夢。 はお @haokuro

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