最終話:ダイちゃん、私が◯◯しちゃって迷惑?

「ふむふむ・・・これは・・なるほど間違いなさそうじゃの・・・」

「一大事じゃが、めでたい・・・でかしたな小玉」


「やっぱり・・・」

「お願い・・・ふたりともダイちゃんにはまだ内緒にしておいて」


「ちゃんと言わなきゃだめでしょ」


「時期を見て私のクチからちゃんと言うから・・・」


それから一週間ほどして大志が取材から帰ってきた。


今度は誰も連れて帰ってこなかったみたいで、小玉ちゃんはホッと胸を

なでおろした。


取材から帰って来ると大志は待ちかねたように小玉ちゃんを抱いた。

ふたりは花乃ちゃんがいようがいまいが関係なくエッチした。


花乃ちゃんもそんなことくらいで遠慮しようなんて気もさらさらなかった。

やりたいならどうぞって感じでデンとソファに座ってテレビを見ていた。


ある夜のこと大志と小玉ちゃんがエッチして、まったりしてる時、

小玉ちゃんがぼそっと言った。


「あの・・・ダイちゃん・・・ダイちゃんって子供とか好き?それとも嫌い?」


「子供は好きだよ・・・なんで?」


「あのね・・・え〜とね・・・うんとね・・・つまりね」


「なに?分かんないよ・・・」


「ダイちゃん・・・驚かないでね・・・」

「実は・・・実はね・・・私、赤ちゃんができたみたい・・・」


「・・・・・・・」


「まじで?」

「間違いないの?・・・小玉ちゃん妊娠してるのか?」


「うん・・・タマちゃんに診てもらったから」


いつのまにか花乃ちゃんが来ていた。


「花乃ちゃん、小玉ちゃん・・・妊娠してるのか?」


「うん・・・そうみたいね・・・よかったじゃない」

「人間の男子で女神を妊娠させたの、あんたくらいじゃないの?」


「まじでか・・・?」


「あんまり喜んでないみたいだね、ダイちゃん・・・」


「いやいやいや、そうじゃなくて、あまりに突然だからさ、驚いてるだけ」

「もちろん嬉しいに決まってるよ・・・」

「そうなんだ・・・俺に子供が?」

「まあ、ゴムつけてなかったから妊娠しても不思議じゃないな」


「あのさ、赤ちゃん生まれたら、あたしが面倒見てあげるからね」

「私、子供一人育ててるから・・・」


「え?花乃ちゃん誰かと結婚してたの?」


「ダイシ・・・あたしね、もう成人してる男の子がひとりいるの」

「元亭主はね、ダイシと違ってロクでもなしだったから、とっくの昔に

別れちゃったんだけどね・・・」


「だから子育ては任せて・・・いろいろ教えてあげられると思うから」

「私はきっと、あんたたちの子供の面倒をみるためにここに来るように

なってたみたいね・・・それってきっと小玉ちゃんが、あたしを引き寄せた

神通力だよ」


「そうなんだ・・・で?いったい花乃ちゃんって何歳?」


「ダイシ・・・女神に歳なんてないの・・・」


「あ、小玉ちゃんと同じこと言ってる」

「とにかくだよ・・・こんなにめでたいことないよな、小玉ちゃん」


「大志よかったな・・・近年になくめでたいことじゃて」


「タマちゃん・・・いつの間に」


「今の状況を神社で見ておったからの、お祝いに急遽駆けつけたまでのこと」

「わしも、ふたりに直接お祝いを言いたかったからのう」


ってことで小玉ちゃんの体調が芳しくなかったのは大志の赤ちゃんを

身籠っていたからだった。


これで花乃ちゃんがつけいるスキはなくなったわけだけど、彼女はふたりの

子供の成長を見守りたいって言って遠野には帰らないことになった。


「ダイちゃん・・・私が妊娠しちゃって迷惑じゃない?・・・」


「そんなわけないだろ・・・嬉しいに決まってるじゃん・・・大切にする

からね、君も赤ちゃんも・・・これからもっともっと・・・」


「私、きっと世界で一番幸せな女神だって思う」


「俺も同じだよ・・・」


そういって大志は小玉ちゃんを抱きしめた。


【流産なんかしないようにね・・・いつまでもお幸せに・・・♡】


小玉ちゃんが妊娠したってことで、ふたりのお話は、めでたしめでたしのまま

とりあえず終わった方がよさそうですね。

ま、続きがあるなら、また今度。


つうことで最後まで読んでくださってありがとうございました。m(_ _)m   


これで、まるっとおしまいじゃて。               

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不思議物語。〜彼女が女神って迷惑ですか?〜 猫野 尻尾 @amanotenshi

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