ナットの欲望とその最期
かたゆでポテト
第1部第1話プロローグ
目を開けば暗い空間に一つの椅子で座っていた。それ以外は何も無い。真っ暗な空間から、近くから足音が響いてゆく。
「やっと目が覚めたか。」
人を小馬鹿にするような声で話しかけてくる。
「死んだときの気分はどうだwwwせっかくこれから長く続くような人生を溝に捨てた気分はどんな気持ちだwww」
思い出した。自分は自殺したことに。
そんなことよりも、こいつはうざい。こいつは明らかに声からしてが自分を煽っているように思う。
「申し遅れたな。俺は……仮名としてアケス。『そのままアケス』と呼びたまえ。」
「あの、アケs…」
自分が言いかけている途中に、
「おい今なんと言った。俺は『そのままアケス』と呼べと言っただろw。こいつアホじゃねwwww」
と大笑いをする。
普通「そのままアケス」なんて呼び方しないだろ。
「ちょっとからかいすぎちまったか。んで、本題に入ろう。ここは死人が最初に来るところ、いわゆる閻魔的なもんだ。そして、生前の苦しみの値が大きいと天国に行ける。そしてそれを担当しているのが、この俺だ。」
よくこんなやつが閻魔大王様みたいなことやれるな。こいつを選んだ人はどうなってんだ?
「そしてお前はこの部屋に招待されるほどの憎しみと苦しみの値が多いことが分かる。それで朗報だ。天国で生活できるような、身体をもらえるチャンスを与えよう。ただし、値が既定値に達していない限りこの身体は使えずに転生門でスルーされる。」
そう言って僕を10数秒睨み続ける。
因みに転生門ってやつは通ったものが別のものに転生できるらしい。
「お前、かなり値が高い。体を渡そう。」
かなりあっさりくれた。怪しい。
「その身体は自由に使いたまえ。さぁ、新しい生活の幕開けだ。」
アケスの話を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。
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