第1章第2話転生
さっきまでの暗闇から目を覚ますと全然違う場所に居た。
「名前を入力してください。※あとからでも変えられます。」
ソシャゲとかでよくあるやつだ。
「ナット、でいいか。」
これは自分がが生前に使っていたニックネームだ。このシンプルな名前に愛着が湧いている。
「続いては、身体を作ってください。」
アk…思い出せない、ついさっきのことだってのに。
いわゆるキャラクター選択や、自分のバーチャルを作るのに近い。
「……棒人間にするか。」
何故棒人間にするのか。もっとイケメン男子とか美少女とかもっと他にもあるだろ。と思った読者さん、初期構想からナットは棒人間だったんです。(←作者より)
流石にただの棒人間ではなく、出来た身体には頭に左右の角(耳?)がついており、顔の正面には横長の楕円形の真ん中にひし形がある。
「これで完了しますか?Yes./No.」
「Yes.」
すると、視界が一気にいるくなった。
目を開けると中世ファンタジー風の街にいた。異世界転生かな?
どうやら人間の思うような「天国」は、この星の名前で、あるこの星に住む古代人が、死んで転生して地球人に生まれ変わって、「死後の世界の天国と地獄」と呼ばれるようになったらしい。
最初に住民カードが必要なためナットは受付で発行する。
「住民カードの発行をしたいのですが…」
「わかりました。でしたらこの書類に記名してください。」
受付の人は銀髪のエルフだった。異世界ファンタジーは宇宙共通なのか。
「ナットさんですね。前世は年齢は12歳、20XX年10月14日生まれ、のデータがありますが引き継ぎますか?」
「お願いします。」
ナットは一応引き継いでおくことにした。意味があるかわからないが。
ナットは異世界ファンタジー要素について質問した。
「何で西洋の中世風の建物なんですか?」
「あぁ、今年地球フェアをやっておりまして、今週はヨーロッパの中世をテーマにしております。」
広い宇宙の星の中、地球に着目するなんて珍しい。
「あっ、能力確認を忘れてました。ここに手をかざしてください。」
転生したら一つ能力を貰えるらしい。
そして、水晶玉サイズの宝石のようなものに手をかざす。
「あなたの能力は、……おぉ、バランス型ですね」
受付のエルフは、驚いた表情でナットに言った。
「すごいです。ただのバランス型ではなく、全知全能の基本的に何でも使えるバランス型です。全ての値が高いので。」
と、どうやらバランスと言っても、どの値も普通で同じくらいというのではなく、普通の人間と比べれば、かなり高い値らしい。
「言語化は難しいほどすごいですく、ほとんどの能力を取得できます。ただし、能力の使いすぎには、禁物ですよ〜」
受付のエルフが驚くぐらいだから、相当すごいのだろう。
「………んっ…。」
内心喜んでいるうちに、いきなり頭痛が走った。そして、今の意識とは違う意識に、ナットの心は「わからない欲」に満ち溢れだし、勝手に身体が違う行動に出る。さっきまでの意識はあるのにも関わらず。
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