あふれだすボクの想いは、正しい世界では共感を呼びました。

第5話 原作の面白さを破壊する自称プロを断罪せよ

ライトノベル作家たちが熱心に紡いだ物語が、コミカライズやTVドラマの脚本家によって、意図せぬ方向に変えられてしまう――。それは、作家の意図とは全く異なる展開やキャラクターの改変など、原作ファンにとっては許し難（がた）い行為（こうい）であった。

この現状に憤（いきどお）るカケルたちは、原作の価値を守るために立ち上がることを決意する。彼らは、二次作品を評価する仕組みを構築する必要性を感じ、行動に移す。個々のTwitter投稿が目立たない中、スポンサーの目に留まるような評価の仕組みを整えることが不可欠であった。

そのために、カケルたちはオンラインプラットフォームを立ち上げ、原作と二次作品の対比評価を行う仕組みを導入した。原作ファンやクリエイターたちが作品の感想を投稿し、コミカライズやＴＶドラマの内容が原作とどれだけ一致しているか、または原作からの逸脱（いつだつ）がどの程度あるかをユーザーが評価する。この評価が集約され、結果が可視化されることで、二次作品の評価が客観的に示されることとなった。

結果として、原作を切り刻（きざ）んで台無しにするような脚本家やコミカライズ作家は、その行為が広く知れ渡り、作品への信頼を損なったことから、転職を余儀なくされることとなった。一方で、カケルたちの取り組みにより、原作とは異なる視点や展開を持つ作品が、公正な評価の下で認められるようになった。多くのクリエイターたちが、小説、イラスト、動画などの分野において、その才能を存分に発揮する場を得ることができ、彼らの創造性が世に広く認められるようになった。

こうして、カケルの国はクリエイター創出国として、世界から注目を集めることとなった。その評判は、羨望のまなざしで見られ、国内外からのクリエイターたちが、自らの才能を発揮するためにその地を目指すようになった。

原作を尊重し、クリエイティブな表現を支援する取り組みが、カケルたちの手によって実現された。その功績は大きく、彼らはクリエイターたちからの感謝と称賛（しょうさん）を受けることとなった。