第3話 闇の手下との初戦

星の神殿の外で、闇の力の気配がどんどん強まっていた。勇斗、リリス、カイは戦闘態勢を整え、緊張感が張り詰める空気の中で静かに立っていた。


「来るぞ…」カイが低くつぶやいた。


その瞬間、黒い霧のようなものが神殿の前に集まり、形を成していった。闇の手下たちが姿を現した。彼らは黒い甲冑をまとい、不気味な赤い目が光っていた。


「これが…闇の手下か」勇斗は唾を飲み込んだ。


リリスが前に出て、手をかざして呪文を唱え始めた。「エルファリス、光の守護よ、我らを守りたまえ!」


リリスの呪文が終わると同時に、勇斗たちの周囲に光のバリアが張られた。闇の手下たちは一瞬ひるんだが、すぐに攻撃を仕掛けてきた。


「行くぞ!」カイが剣を構え、突進していった。


勇斗もリリスの援護を受けながら、闇の手下たちに向かって走り出した。彼の中に新たに目覚めた光の力が、体中にみなぎっていた。


「光よ、俺に力を!」勇斗は叫びながら、拳を振り上げた。その拳から眩い光が放たれ、闇の手下たちを撃退した。


「よし、効いてる!」勇斗は手ごたえを感じた。


カイは冷静に敵を斬り払い、リリスは魔法の矢で援護射撃を続けた。三人の連携は見事で、次々と闇の手下たちを倒していった。


「勇斗、左側だ!」カイが指示を飛ばす。


勇斗はカイの指示に従い、左側から攻撃を仕掛けてくる敵に向かって光の拳を放った。「くらえ!」


闇の手下は光に包まれ、消滅していった。しかし、次々と現れる敵に、勇斗たちは少しずつ追い詰められていった。


「数が多い…!」リリスが息を切らしながら言った。


その時、一際大きな影が現れた。闇の手下たちのリーダーと思われる存在が、他の手下たちを引き連れて進んできた。


「こいつがボスか…!」勇斗はその威圧感に圧倒されそうになったが、踏ん張った。


「勇斗、集中しろ。俺たちならやれる!」カイが激励した。


「うん、絶対に勝つ!」勇斗は強く頷いた。


リーダーが大きな剣を振りかざし、勇斗たちに襲いかかってきた。勇斗はその一撃をかろうじて避け、カウンターで光の拳を放った。


「くらえ!」


しかし、リーダーはその攻撃を容易く防ぎ、反撃してきた。勇斗はなんとか受け流したが、その力強さに驚きを隠せなかった。


「こいつ、強い…!」


リリスが後方から呪文を唱え、「エルファリスの光よ、敵を封じたまえ!」と叫んだ。光の鎖がリーダーを縛り上げ、その動きを一瞬止めた。


「今だ、勇斗!」リリスが叫んだ。


勇斗はその隙を見逃さず、全力でリーダーに突進した。「これで終わりだ!」


光の拳がリーダーに直撃し、強烈な光が爆発した。リーダーは悲鳴を上げながら崩れ落ち、他の闇の手下たちも次々と消滅していった。


「やったか…?」勇斗は息を切らしながら確認した。


カイが剣を収め、リリスが呪文を解いた。「ええ、見事な戦いでした。勇斗さん、カイさん、お疲れ様です。」


「ありがとう、リリス。俺たち、勝ったんだね…」勇斗は安心して、笑顔を見せた。


「これが、闇の王との戦いの始まりだ。これからもっと厳しい戦いが待っているだろう」とカイが言った。


「そうだね。でも、俺たちならきっと勝てるさ」勇斗は強い決意を胸に、二人と共に神殿を後にした。


船に戻ると、三人は次の目的地に向かう準備を始めた。勇斗の中には、新たな力と自信が満ち溢れていた。


「次はどこに行くんだ?」勇斗がリリスに尋ねた。


「次は『風の谷』です。そこには、あなたの力をさらに強化するためのアイテムが隠されています」とリリスは答えた。


「風の谷か…よし、行こう!」勇斗は前を向き、次の冒険に向かって歩き出した。


三人の旅はまだ始まったばかりだった。彼らの前には未知の試練と、無限の可能性が広がっていた。勇斗は仲間と共に、この異世界での運命を受け入れ、闇の王との戦いに立ち向かうことを決意していた。

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星々の彼方へ ミア・スターリング @kokusutia

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