この物語は、必ず四つ。
それ以下でも以上でも、作法に反する。
必ず、四つと定められた、その四番目の
身の毛もよだつ物語。
この度は、執事による歓待が…。
茶菓を供して始められる物語、四つの
『経立』禽獣虫魚、歳を経れば化けると
申すもの。
濡れ羽色の烏の視線に囚われたもの
神の白蛇に魅入られたもの
湖の主、大鯰に祝われたもの
仙境より来たる狐に騙されたもの
彼らの末路は如何なる方へ、いずれも
恐ろしき物語り。
生きる為には弱肉強食の理のなか。但し
ゆめゆめ忘れる事勿れ。天と地とは容易く
変わる。
『経立』は狡猾なもの。人も亦、然り。
騙されぬよう…御用心。