第11話 手がかかる

「翔!!…翔!!…」

「居るよ。大丈夫。居るよ。」


緊急搬送された日から、夜中に翔の名前を叫ぶ事が増えた。


朝になると、僕はいつものように翔を抱き寄せる…。


「大丈夫。居るよ。」

「……ごめん。」

「謝らない。」



――――――――――――ある日の夜中。


僕はいつもの公園に居た。

いつものようにベンチで寝てると、翔が来た。


「帰ろ?隣に稜太居ないと寝れない。」

「……。」

「なに?言いたいことあるなら言って。」

「……かけ。」

「なに?」


僕は立ち上がって翔を抱き締めた…。


「どうした?」

「翔……大好きだよ。」

「僕も。だから聞かせて?何を悩んでるの?」

「……。」


僕は翔に舌を絡めて求めた。。


「不安なの?…」

「何処にも行くな。俺のそばにいろ。……ずっと抱いてたい…。」

「どこも行かないよ?」


「翔!!……そばに居ろよ!!…翔!!……」


翔は僕の首に手を当てて思い切り首を絞めた。


「稜太、一回帰ってホテル行くぞ?今のお前にはキツい薬が必要だ。」


僕は嬉しさで涙を流していた…。


「泣き虫稜太。安心して。僕がいる。」




――――――――――――――――――。


その後ホテルで、手足の自由を奪われて、翔の体力が尽きるまで愛された。



「……本当にお前は。手のかかる犬だな。」

「……ごめん。」

「まだ足りないのか」

「足りない。…足りない!!…翔!!もっとして!!……」



「……それでいいの。稜太はそれでいい。」

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月夜 海星 @Kaisei123

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