3.水龍の魔王は「シチロウ」と名乗った。
機械人形の魔王は「シータ」
植物の魔王は「ダメイア」
冷気の魔王は「フリュム」
冥府の魔王は「ハデス」である。
半月もしない内に、全員起き上がれるようになるまで回復していた。
「魔王ってのは回復力も凄いんだな」
メイホウが冗談めかして言った。
「ここはどこなんだ?」
ダメイアが聞いた。
「何かの施設のようだが…」
「そうだな」
メイホウはうなずく。
何から話したらよいのか、とでも言いたげな様子である。
と、その時。
ドカン!
と爆発音。
すぐに警報音が鳴り響いた。
「なんだ!?」
アサドが叫ぶ。
「む…」
メイホウは唸った。
不味いことになった、と顔に書いてある。
「メイホウ!」
ドアを蹴破るように開けて、若い男が入ってくる。
赤い服を着ている。
「ヤツらが…!」
続けて、青い服の男が入ってくる。
「逃げて!」
黄色い服の女が入ってくる。
緑とピンクの姿はない。
皆、ヒドいケガを負っており、動くのもやっとという印象だが、
「ここはオレらが食い止める」
「メイホウは皆を連れて逃げて!」
「後は頼んだ」
3人は背を向けて、言った。
*
メイホウと6人の魔王は施設を脱出した。
あの後、すぐに敵の兵士たちが殺到し、3人が盾となってメイホウたちを逃がしたのであった。
恐らく3人は助からないだろう。
「敵はどういうヤツらなんだ?」
アサドは聞いた。
「うむ、お主らには助けてもろうた恩がある」
シチロウがその後を継ぐ。
「恩義に報いて、敵を倒さねばならんな」
フリュムが言うと、
「だネ!」
シータがうなずいた。
「……機妙帝国とか言ったな」
メイホウはポツリとつぶやく。
「私も詳しくは知らんのだ。
お前らと同じように、先日復活したばかりでな」
メイホウは肩をすくめた。
余談だが、
メイホウは岩石としてその身体が保存されていたのを、
つい先日、戦隊メンバーが石化解除法を発見し、復活させたのである。
「聞いた所では、太古にこちらの世界へと移住してきた異世界の機械化人類らしい」
メイホウが言った。
「なニ、そノ、情報量過多なやツ?」
シータが瞳をクルリと一回転させる。
機械人形の彼女は、表情がギミックで表現されるのだ。
「お前と同類じゃねーのか?」
アサドが言う。
「失礼ナ! 私はゴーレム、生粋の機械だゾ!」
シータはプンスカと怒る。
目の色が虹色にグルグルと動いている。
「いずれにせよ、報復はさせてもらう」
ダメイアが言った。
まるで自分に言い聞かせるように。
「おう」
他の皆が同意した。
異世界召喚魔王戦隊マオレンジャー! @OGANAO
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