3.水龍の魔王は「シチロウ」と名乗った。

機械人形の魔王は「シータ」


植物の魔王は「ダメイア」


冷気の魔王は「フリュム」


冥府の魔王は「ハデス」である。


半月もしない内に、全員起き上がれるようになるまで回復していた。


「魔王ってのは回復力も凄いんだな」

メイホウが冗談めかして言った。


「ここはどこなんだ?」

ダメイアが聞いた。

「何かの施設のようだが…」


「そうだな」

メイホウはうなずく。

何から話したらよいのか、とでも言いたげな様子である。


と、その時。


ドカン!


と爆発音。


すぐに警報音が鳴り響いた。


「なんだ!?」

アサドが叫ぶ。


「む…」

メイホウは唸った。

不味いことになった、と顔に書いてある。


「メイホウ!」

ドアを蹴破るように開けて、若い男が入ってくる。

赤い服を着ている。


「ヤツらが…!」

続けて、青い服の男が入ってくる。


「逃げて!」

黄色い服の女が入ってくる。


緑とピンクの姿はない。


皆、ヒドいケガを負っており、動くのもやっとという印象だが、


「ここはオレらが食い止める」

「メイホウは皆を連れて逃げて!」

「後は頼んだ」

3人は背を向けて、言った。



メイホウと6人の魔王は施設を脱出した。


あの後、すぐに敵の兵士たちが殺到し、3人が盾となってメイホウたちを逃がしたのであった。

恐らく3人は助からないだろう。


「敵はどういうヤツらなんだ?」

アサドは聞いた。


「うむ、お主らには助けてもろうた恩がある」

シチロウがその後を継ぐ。


「恩義に報いて、敵を倒さねばならんな」

フリュムが言うと、


「だネ!」

シータがうなずいた。


「……機妙帝国とか言ったな」

メイホウはポツリとつぶやく。

「私も詳しくは知らんのだ。

 お前らと同じように、先日復活したばかりでな」

メイホウは肩をすくめた。


余談だが、

メイホウは岩石としてその身体が保存されていたのを、

つい先日、戦隊メンバーが石化解除法を発見し、復活させたのである。


「聞いた所では、太古にこちらの世界へと移住してきた異世界の機械化人類らしい」

メイホウが言った。


「なニ、そノ、情報量過多なやツ?」

シータが瞳をクルリと一回転させる。

機械人形の彼女は、表情がギミックで表現されるのだ。


「お前と同類じゃねーのか?」

アサドが言う。


「失礼ナ! 私はゴーレム、生粋の機械だゾ!」

シータはプンスカと怒る。

目の色が虹色にグルグルと動いている。


「いずれにせよ、報復はさせてもらう」

ダメイアが言った。

まるで自分に言い聞かせるように。


「おう」

他の皆が同意した。

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異世界召喚魔王戦隊マオレンジャー! @OGANAO

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