第2話「イリコの見解」

 あなたはこの謎のアカウントのことをイリコに尋ねてみようと思いました。イリコというのはあなたの友人のハンドルネームで、彼女は情報工学を専攻しています。


「イリコさん、何か知ってる?」あなたは画面をイリコに向けて見せました。「このフリーライター古賀っていう人が書いてる記事。Chatterで地震予知してるってさ」

 イリコは首を傾げました。「古賀っていうフリーライターは知らないな。それに地震の予知なんて基本的に無理だよ」

「でも、ここ見てよ」あなたは指で一つのポストを指しました。「『じしんきます あさってぐらいdangerous』って書いてある。そして実際に地震がきたって」

 イリコは眉をひそめて画面を見つめました。「二つ目のポストのnpmって部分はプログラムのインストールに使われる命令だけど、それ以外はさっぱりだな。個人的には人間が適当に打ったものがただ当たっただけの偶然じゃないかと思うよ」


「偶然、ね、まあそうかも知れないけど。何かあるんなら面白いのになって」

 イリコはポケットから自身のスマートフォンを取り出し、@nmbtest01を検索しました。「じゃあ、少し調べてみるか」


 イリコはツイートのメタデータを調べてみると、発信地に経度と緯度が設定されていることに気づきました。

「面白い。ポストのメタデータに経度と緯度が設定されてる」

「それって何?」

「つまり、このツイートがどこから送信されたかが分かる情報だよ。もし本当に何か裏があるなら、これが手がかりになるかもしれないね」


 あなたは緯度と経度について詳細をイリコに聞きます。すると、緯度と経度は以下のようなものだと分かりました。


 ▼資料:ポストに含まれるメタデータ


 緯度36.0819、経度140.0827




 メタデータにはそう記載されていました。


 あなたはその座標を地図アプリで検索しました。すると、ある大学都市の地域が現れました。

「波葉学園都市だ」

「波葉学園都市? それって地震が起きたところの近くじゃない?」

「そうなのか? それは確かに興味深い。ただ、それが何を意味するのかはまだわからないけど。」


 あなたは緯度と経度に言及している人が他にいないか、インターネットでChatterやブログ、掲示板などを調べます。何人か言及している人はいるようです。ただ影響力はどれも小さいようで、フリーライター古賀も気付いていないようです。


 さて、どうしたものでしょうか。

 あなたはこの緯度と経度の情報を教えてあげたらいいのではないかと考え、フリーライター古賀と連絡を取ろうと思いました。

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