第6話「本当の真相」

 あなたが地元で過ごしている間、危惧していたような地震などは起こりませんでした。東京へ戻り、杞憂だったかと思い直しつつあった頃、古賀から届いたメールにはこのような内容が書かれていました。


 ▼資料:古賀からのメール


「お疲れ様です。立花さんからあの件はイタズラだったと連絡が来ました。しかしそれはおそらく嘘です。私はこういうことに詳しくないので明確なことは言えませんが……。実はあの日、私はトイレにいくふりをして、立花教授の研究室に侵入し、データをまるっとコピーしてきました。

 こちらがそのデータです。良ければ色々とみてみてください。


 ただ、私はこの件からはもう手を引きます。実は、立花さんから迷惑料も頂いてます。今度、れくたぁさんにも振り込みますよ。お金がもらえたら私としてはそれでいいです。


 それに、なんだかこのことを公表しても、単なる妄想だと思われそうで、あまりバズも狙えないかなと感じました。


 まあまた何かありましたらご連絡ください。」




 あなたはデータを展開し、イリコの協力の元、あるログファイルにたどり着きました。

 そのログファイルは、Chatterへのアクセスで入力しようとしたデータを、インターネットではなくPC内部のテキストデータに保存したものでした。


 ▼資料:立花研究室のPC内のテキストデータ


「(文字化けしている)」

「who are they who are thtthey」

「dangerous」

「大きな生き物 たくさん 地下」

「20(文字化けしている)年 来る 滅ぶ」

「dangerous 逃げて」




 <エピローグ>


 それから、あなたは立花と連絡を取ろうと思い何度かメッセージを送りましたが、返信はありません。

 立花はその後、オカルト番組で噂の否定をしている様子が見られましたが、次第にメディアへの出演をしなくなりました。

 古賀は他のバズ記事を今日も書いているようです。その後一度だけ会って話しましたが、もう件のソフトウェアが削除されているということから、気にしてもしょうがない、という結論になりました。

 イリコは「気にすんなよ、気にしてもしょうがない」と言っています。


 あなたはたまに、地下から謎の生物が大地震と共に現れ、東京を焼きつくす想像をしてしまい、もやもやとした気持ちを抱えています。

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現代怪奇譚「地震を予言するBOT」 のぎぐちまる @kawadumax

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