理解できない 神奈川県庁の世界⑥
霧野 ぬん
第1話 マイボトル用の給水機が置かれたと思ったら・・・
神奈川県庁は、本庁舎、新庁舎、西庁舎、東庁舎のほぼ4つの大きな建物で成り立っている。
勤務時間は、ほとんどの職員は仕事をしていて、執務室から出ることはあまりない。
だから、基本、他の庁舎に行くことはない。
ある日、マイボトルに水を汲む給水機が置かれることになった。
たまたま、よその課に書類を持っていくため、ぬんはその前を通った。
「あ、これかぁ。」ぬんは興味津々と眺めた。
そこに書いてあった説明によると、
美味しいお水が給水できます 給水スポット設置中
「神奈川県はSDGsの推進に向け、かながわプラごみゼロ宣言を表明しています。」
と書かれてあった。
本当に「プラごみ」ものすごく減るのか?本当?
やはりSDGsがらみか。
おそらくアピールがうまいトップの考えでしょう。
そういう企業と協定を結んだのだろう。
それはすごくいいことだと思う。けど・・・
でも、県庁らしい問題がある。
その給水機の置かれた場所と数が問題なのである。
なぜか、給水機があるのは、トップがいる本庁舎の3階に1台、そして、その1階に2台である。
2,3日前に、大々的にパソコンの庁内掲示板(職員あてお知らせが書いてあるところ)に出ていたので、各庁舎の各階ごとくらいに置くのかと思って期待していた。
それなら、県職員でも意識が高い系は、そこで水筒に水を汲んできて飲むだろう。
でも、本庁舎のたった3か所だけ、これはひどい。
いちいち違う庁舎の人が飲み水を組みに行くにしては、ちょっとハードルが高い。
仕事中にエレベーターで降りて、横断歩道や渡り廊下を使って本庁舎まで水を汲み行くのか。
行かないだろう。
上司に仕事中、「ちょっと水を汲みに行ってきます。」も1日に、ぬんの執務室からだと本庁舎の1階に行くのはやはり少なくとも7,8分、それが数回だと辛い。
行き帰りで15分。
たぶん行かないな。
こんな時間いなかったら、サボってるとしか思われない。
あーあ、嫌だ、いつもだ、神奈川県庁のこの中途半端さ。
やるなら、きちんと各庁舎の各階の給湯室にでも置いてほしい。
それなら、仕事の手を抜かずにSDGsに貢献できる。
でもねー、エレベーター使って、渡り廊下を超えてあるいは横断歩道を渡ってはちょっと。。。
そして、そんなに神奈川県庁がSDGsに努めているのをアピールしたいなら、県内の多くの県施設にも置くべきだろう。
でも、ぬんの著書「理解できない・・・」どこかにも書いたが、労働災害をしてもお金も払わないほど、予算に苦労している神奈川県庁はお金がないんだ。
だから、この給水機を千数百個は買えないのだろう。
「そんな中途半端ならやめれば・・・。」
ぬんは思わず言いたくなる。
3台じゃSDGsにはさすがに貢献できないのでは・・・?
1台を一日めいっぱいよく考えて10人の人が使っても3台で30人、でもさすがに知事室の階は使う人が少ないだろうから、いいとこ5人。
あーあ、また、中途半端。。。。いつもこうだ。
やりかけて、出来なさそうだとそれでやめる。
あったあった記者発表記事。
去年5月30日の記事。
「都道府県初!ウォータースタンド株式会社と連携協定を締結し、マイボトルの利用促進等の取組を進めます!~5月30日は「ごみゼロの日」~
2023年05月30日 記者発表資料
神奈川県では、2018年に「かながわプラごみゼロ宣言」を発表し、プラスチックの資源循環等の取組を推進しています。その取組をさらに強化するため、本県とウォータースタンド株式会社は、都道府県としては初となる「プラスチックごみ削減と脱炭素社会の実現に関する連携協定」を締結し、マイボトルの利用促進等について連携していくこととしましたので、お知らせします。」
と言うことらしい。
ウォータースタンド株式会社とは、「プラスチックごみ削減と脱炭素社会の実現に関する連携協定」を締結し、マイボトルの利用促進等について連携協定を結んだから、ウォータースタンド株式会社から3台いただいだんだ。
せっかくいただいただから、本庁舎公開の時などに県民の人に、都道府県初でマイボトルの利用促進等の取組を進めているところを見せたいんだ。
SDGsに取り組んでいるところをアピールしたいんだ。
県民の皆さんが見学に入られるところには3台あるが、他には1台もない。
県職員のマイボトルの利用促進等を図りたいのか、プラスチックごみ削減をする素晴らしいウォータースタンドが神奈川県庁があるんですよと言うことがアピールしたいのか、どっちなんだろう?
県職員のマイボトルの利用促進等を図りたいなら、執務室のそばに置いてほしい。
予算がないなら、やめましょう。
数千人いる県職員に3台は厳しすぎる。
いつもこう、中途半端。
きちんとやり切った事業は少ない。
ぬんがK光課にいた時、高森担当課長が輸出事業で台湾に行った。
さて、台湾で販売会。
輸出するために持って行った冬瓜。
運搬している間に、コンテナの中が暑くて半分以上、腐っていた。
結局、目玉商品だった冬瓜が無くなったため、作成したチラシも無駄になった。
チラシを配る着ぐるみも出番を失った。
(「道に迷った人たち・・@K奈川県」に記述。)
それでも、高森担当課長はトップに「台湾輸出事業は大成功でした。」と報告した。
多大な予算をかけた台湾輸出事業も無駄に終わり、中途半端に終わった。
神奈川県庁は、いつもこうなんだ。
きちんとやりきらないのに「成功した。」と終わらせる。
今後、この給水機がぬんの所属のそばに置いて使える日はあるのだろうか?
神奈川県庁の予算が見込めた時、その時に買えるかも。
期待しないで。。。待っていようっと。
今日はこれで、終わり。
追記
この後、急に給水機が増えたんです。8つ。
最初からこうしてれば、みんなマイボトルにしてみようかって思いますよね。
でも、周りを見渡すと、机上にはペットボトルに入ったお茶ばかり。
なかなか施策が浸透しない県庁でした。
理解できない 神奈川県庁の世界⑥ 霧野 ぬん @kiri-nun
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