第43話 地獄の行軍訓練開始!【令和八年】
私――
私たち女子戦闘科第三クラスの十二名は、富士山近くの
これは「
私やアリサ、チャコは「
五日後が上陸作戦の決行予定日なのだ。
でも私たちは今、そのことを考えている
「あ、足が痛すぎる~!」
アリサがいつになく泣き声を上げた。
私たちは
今、十五キロメートル歩いたところだ。
岩場があったり、草に足をとられたりしたので、太ももに
「だめ、足が棒みたい」
私は足がだるくて痛くてたまらなくなりそうになり、つぶやいた。
心臓も心配だ。
心臓移植手術をして十二日くらい経ったか。
心臓が普段より高鳴っている気がして、どうも
この
ウォンダさんは、せっかく移植した心臓を
「こらぁ、アリサ、リナ! 列を乱すんじゃない! この状態で
自衛隊出身の女性教官――
直射日光も私たちの体力を
「熱さも敵ですよ。これ、
チャコが私に塩レモン
……お、美味しい~……。
でももうフラフラだ。
「聞け! 自衛隊の第一
……それから
今、夜の八時くらいだろうか? 真っ暗だ……。皆、すでに
「はい
私たちは
チャコが
「あ、あの、
「聞いただろー! 休むのはこの四時間だけだ! あとは寝ずに歩く!」
「ぎゃああ!」
「なにそれ?
「教官の鬼!」
女子たちの叫び声が森に
私たちはとにかく休むため、一人用のワンタッチテントを立てた。
夕食は私のテント内でアリサ、チャコと一緒にとることにした。
メニューは
テントは一人用だが、座って食事をとるのなら三人、何とか入れた。
「リナ、お前、心臓は大丈夫かよ」
アリサはカレーを
「うん、何とか」
「……明日までに
チャコも静かに言った。
「そうだね……どうしようか」
私は
私たちは
◇ ◇ ◇
「――大丈夫、できるよ」
そんな聞き覚えのある声がした。
私が座っているのは砂浜……海岸?
……ここは幼い頃、お父さんとお母さんと一緒に行った
それでこれは夢だと気付いた。
「久しぶり! 令和のリナ!」
え?
「うわ!」
隣に
き、気付かなかった……。
「
「やっと会えたね。ここ、夢だもん。私は令和のリナの前にいきなり現れるよ、いつだって」
「うん……。大事な心臓をありがとう」
私と
ごめんね……。
あなたは私に心臓をくれたせいで死んだ。
私は泣いていたが、
「私の役目はあなた――令和のリナに心臓をあげることだったんだって」
「え? 誰がそんなことを言ったの?」
「死んだあとの世界で偉い人が言ってた」
「ふーん……神様みたいな人?」
私はそうつぶやきつつ、
「この間の授業訓練のとき、話かけてきたのはあなた?」
「そうだよ。――ねえ、
「だって危険じゃないの。ゼッコン様に
「令和のリナなら大丈夫。アリサやチャコがいるでしょ。それに自衛隊や日本政府の人がリナを助けてくれるよ」
「簡単に言うけどさぁ」
「本当は
「え?」
私はドキッとした。
彼女はまた言った。
「色んな秘密が分かるよ。あなたのお父さんとお母さんのことも」
「え? お、お父さん? お母さん? 私の?」
「山内君もあなたに会いたがってる」
あ、山内君って
彼、さみしがってないかな、
「その山内君が会いたがっているのは、私じゃなくて
「令和のリナと
もう~……抱き
「――でも令和のリナ、あなたは結局、
「え? それってどういう……」
日本全国の人が私に……?
そんなわけがない。
私のことなんか、士官学校の関係者以外、誰も知らないはず。
「そろそろ時間じゃない? それじゃね」
そんな
気付くと私は海岸で一人だった。
(起きろ……起きろ! もう四時間
誰かの声がする。
あ、
……そこで目が覚めた。
◇ ◇ ◇
私たち女子戦闘科第三クラスは、深夜の
私はアリサとチャコに言った。
「やっぱり
「え? いきなりどうしたんですか?」
チャコは眉をひそめたが、アリサは笑って「やっぱり! そうこなくっちゃ!」と声を上げた。
私は決心していた。
私は
卑弥呼の転生者~令和の時代に、卑弥呼の私が生まれた。私が鬼道の術で日本を救います! 武志 @take10902
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