第42話 教祖の師【令和八年&黒生刑事視点】
昼の二時――。
俺とヨシマリは、新宿にある「株式会社
「俺らはこういう者です。
ロビーの
「ま、
俺とヨシマリは階段で二階に行き、
「入ってこい! だが話をするかは分からんぞ!」
しわがれた怒鳴り声が返ってきた。
「うわ~、やっぱり
ヨシマリは声を上げた。
扉を開けると、そこには恐らく六十代後半……いや、七十代くらいの男が座っていた。
部屋には
机の上にはレポート用紙が山のように積まれてあった。
「あなたが元『
俺がそう聞くと、男は口を開いた。
「そうだが。刑事と聞いたが何なんだ? 私は仕事が
俺はいきなり切り込むことにした。
「あなたと共に、自然エネルギー研究機関、東京エネルギー研究所に所属していた
「な、何だと」
「その後、三人とも
やはり
「今日はお前たちだけか?」
「はい」
俺がうなずくと、
ふむ、
……相当重要な情報をお持ちとみえる。
「ふむ……。東京エネルギー研究所時代は、
「だが、あんたが聞きたいのはそんなことじゃないだろう?」
「ええ、まずは
俺の言葉を聞いた
「よく知ってるな」
そして
「ご存知のとおり、三世紀に
「
「あんたも調べているんだろう? だいたいは知っているはずだ」
「いえ、
俺が言うと、
「
「ではなぜ賢者に似た、
「昭和二十二年、賢者の集団――『賢者の会』から
「賢者の会には
「その通り。よく調べてあるじゃないか。私は所属しなかったが」
「その三人の仲間に、イギリス
俺の言葉を聞いた
「な、なぜその男を知っている?」
ヨシマリはカバンから一枚の写真――正確には写真用
彼女が
左から、
「『彼』は
「彼」とは、一番右に写っている謎の西洋人の男のことを
『Requiem Energy』という題の本だ。
著者は「Jedd Zacharaiah」……。
帰国子女のヨシマリが口を開いた。
「えーっと、本の題名は『レクイエム・エネルギー』ですね。著者は『ジュドー』……いえ、『ジェドー・ザカライア』」
「そうだ。イギリス人のジェドー・ザカライアだ。2011年、新聞各紙でノーベル化学賞、もしくは物理賞
「2011年、ノーベル賞を
そして
「だが、
「そのレクイエム・エネルギーとは何なのですか?」
「古代大陸にあった『ツーオイ石』から生み出される無限のエネルギーだ」
「ほほう、オカルトチックだが」
「オカルトではない。現に
「なるほど……その後、ザカライア氏はどうなったのですか」
「
「ジェドー・ザカライアは公式では1971年生まれとなっています。しかし、彼はもっと前――第二次世界大戦前から生きていたという
「ハハハ」
「それこそオカルトだよ。そんな
「
「
俺とヨシマリは
一週間後は、どうやら
その日から令和日本と
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