第16話衝動
現実は……とてもまばゆい光を放ち、俺達を見つけるんだ。
どんな小さな罪もかくせないように。
whOlE*lOttA*lOvE
Rock 'n' Roll Suicide (2012 Remaster)
https://www.youtube.com/watch?v=SOgVoxqKU7U&list=PL6ogdCG3tAWiH0E0OF6d97Ahfrq2xz8fj&index=11
教授がゆるくクチビルを開いた。
「イヤじゃない?」
ああ、そのクチビルがJを誘ったんだ、お前は彼にも同じことを言って、そんな風にJを誘ったんだね。なんとなく想像してしまった、教授がすんげー色っぽすぎて。
頬が熱い。室温があがった、俺達の距離も生ぬるい。
教授が、俺の瞳とクチビルに視線を行き来させながら、肩と肩が触れるくらいに近づいてくる。
動けない。
「ハル が スキ」
それから俺のクチビルだけを見つめて、教授は、俺にキスをした。
甘くて、甘いって感じるのは本当だった、生ぬるく濡れたクチビルが自分のものじゃないみたいだ。教授がクチビルを放すとき、
「ンふぅ」
なんともいえない声を零した。
教授と キス した
親友だ
ほんとに?
スキだ、俺も
友情じゃなく?
自問自答がぐちゃぐちゃだ。
顔面が熱いよ、殴られたみたいに。
「はぁる?」
蕩けそうに甘い息が、甘酸っぱい匂いが、俺のモノを烈しく沸き立たせる。
口の中に、熱くて酸っぱいような唾液が、じゅわっと溢れた。
「ヤ……めるな」
思わずそう言ってしまった、俺。
ぐん、と教授の瞳が艶めくよう、教授はクチビルをやわく噛んで、それからゆっくりと開いて言う。
「キス、シたかったよ」
そう言うと教授は俺の眼の前に正座して、右手で俺の左頬に触れた。
そうされて俺は、教授のクチビルから眼が放せないままで、もっと、もっとキツク触れたくて、そうしたくて仕方がなくて、どうしようもない衝動でおかしくなりそうだ。
腹のソコが熱くて痺れる。
「ヤめるなよ、頼む……から」
うまく声がでない、うまれて初めての欲望でうなされているみたいだ。
「ハルうれしいぃ……ン!」
教授の甘えたような声に俺は待てなくなった。
両手で教授の頬を囲み、教授のクチビルを思いっきり吸い上げた。
もう、恥ずかしさもなにも感じない、ただただ、そうしたかった。
ぎこちなく、はげしく、俺達は互いのクチビルを噛んだり吸いあったり、呼吸も忘れて求めあった。洩れる息と興奮を誘う音が耳を刺激して、俺のモノが完全に膨らんでいた。無我夢中で、もう、まるでケモノのようだ。
苦しくて、セツナクなって、怖いくらいに快感を求めたがっていた。だくだくと体中から湧き起こるなにかが俺のことをおかしくさせていた。この快感を開放したくなった俺は、ゆっくりと……とうとう教授のことを押し倒した。
熱くて浅く、荒い息
教授のことを跨いでいることが、教授が俺の下になっていることが、異常なくらいに俺を興奮させている、ワケがわからないよ。見下ろした教授の瞳はうっすらと開いていて、もっと……と、俺のことを誘ってるみたいだ。
なのに教授は俺の胸を押し、俺から離れようとした。
「んっ!?」
不意にそうされて軽くイラつく、ような感覚。
「ダメだハル、これ以上は、トマラナイヨォ?」
口元をぬぐいながら、俺の眼を避けて言う教授。
わかっている
お前だってやめたくないんだろ?
肩で息を逃して、俺は言った。
「やめたくナイよ。わかってるだろ?」
俺は、その先の行為がどんなものかも知らずに、ただ求めたがっていた。
だってただただ欲しいんだよ、もっと強烈なものが、あの快楽が。どうにかなってしまいたくて仕方がないんだ。
じゃれあって触れたクチビル、肩、腰、その度にうまれた小さな衝動をこれまでは見逃してきたんだ、でも今は。
オマエトナラ
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whole lotta love胸いっぱいの愛を きゃんでぃろっく @candy69
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