蛍と蜉蝣
かにかま
眼
20
もう書き終わってしまった。できる限り解いたけどもやはり一夜漬けはよくないな、どうしようもない。何も無い1日。
ギリシャ文字と数字を書き綴った1枚のテスト用紙に落書きを始める。担任の先生は見回りで足音を響かせながら通り過ぎていく。
19
君に会いたい。
考え事。
18
ああ、そうか。
目を瞑って君に会いに行く、これでいい。
記憶に残らない話し声、風景、僕の手。
笑っていただけ。
深いところまで。
15
「?」
顔を上げ、11:45を刺す針と目が合う。思ったより時間は都合よく流れてくれない。目を逸らし、もう一度目線を下に。
そういえば昨日あの川で蛍を見た。1匹だけ。
不安定ながらも線を描いて、黄緑色の点滅と共に橋の下へ消えた。周りに明かりはなく、光が現れては消えていくだけであった。なんだか懐かしくなった。
13
会えなかった。どうしてだろう。
赤と白の靴。父さんが僕にくれたもの。
まだ大人じゃない僕は。
おやすみ。
-2
肩を叩かれ目を覚ます。知らぬ顔をして時計は進む。
隣の人にテスト用紙を渡して回収する先生。
-23
僕は帰路に着いて帰りの電車を待っている。駅員も改札もない無人駅の奥にいる友人の元へ駆け寄り他愛もない話をする。
-85
疲労した身体。雨の音が聞こえ始めた。
明日は君に会える。眠る。
5/28
蛍と蜉蝣 かにかま @iooon
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