最後に(個人の見解)

 それにしても「第二回円城塔賞」の開催がないのが悲しい。前回の「円城塔賞」で想定対象界隈の作家の取り込みは完了できたという判断なのか。

 確かに、日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト(通称・さなコン)や星新一賞、ブンゲイファイトクラブ、百合文芸コンテストに参加してたような猛者たちが、カクヨムに続々と登録していたので。


 いやでも、だからこそ第二回もやってほしかったよ(円城塔先生、Xを拝見する限りわりと第二回に前向きだったご様子だし。でも、まさか先生自ら全応募作品をスクリーニングされるなんてカクヨム編集部もきっと怯えたに違いないw)


 今回は、「魔法のiらんど」の吸収…じゃなかった合併も発表されましたし、現在「小説家になろう」に集まっている異世界恋愛もの及び「エブリスタ」に集まってる現代舞台の恋愛ものについて、対抗できる小説投稿エンタメサイトにしていくってことでしょうか。


 巨大エンタメ・コングロマリット企業『KAD●KAWA』が自然発生し育ったジャンルを収穫しに来たぞぉ! というイメージですね(苦笑)

 いえ、別に他意はないです。カクヨム大好き!!!

 I LOVE カクヨム!!


 冗談はさておき、個人的には、そろそろ「角川つばさ文庫」編集部や「野生時代」編集部もカクヨムコンテストに参加してほしいなぁと思っていたりします。


***


 と、カクコン10への個人的感傷はこの辺で。


 最後に『カクヨムコンテスト【短編】』について、もう少し参加予定の皆さんの益になる情報でも書いていこうと思います。


 皆さんが「短編」と聞いたときに思い浮かぶのは、どんな作品でしょうか。


 星新一先生のような奇抜で完璧なショートショートでしょうか。

 それとも、文芸雑誌に掲載され「いい仕事してますねぇ」と有識者たちが保証する文学作品でしょうか。


 私は『カクヨムコンテスト【短編】』で求められている「短編」は、そのどちらでもないと思っています。


 KADOKAWA自体が純文学的なものよりも、大衆的なエンタメを求めてるのもあるでしょうが、


 長く読者から好まれているものの中からまさに面白いものを見つけられる着眼点。そして、完璧なショートショートよりは、長編にもなりえるポテンシャルを秘めた企画書に近い短編、そういうイメージを感じます。

 

 小説を創作する上で「受賞すること」がすべてではありませんが、もし一つの成果として「受賞」を目指しているならば、「このコンテストが求めているものは何か」を考える際に、「文字数は? テーマ選びは? レイティングは? 星の数・ブクマ数は? 副賞にコミカライズがあるということは? 掲載誌ではどんな作品が人気か?」といった過去の受賞作のを探したり、背後にある企業の意図を推理していくアプローチも、わりかし楽しいです。


 学校の定期試験で、過去問や教科の先生の好みから試験のヤマを当てるような、そんな思考トレーニングですね(苦笑)


 あと、三十代以上の書き手の方は、自分の作品が「古臭くならない」ようにする努力をした方がいいかもしれません。


 人気が出ている新進気鋭の小説家の新作や、話題の新作アニメ・漫画・映画・音楽など、たくさん摂取してアップデートしていかないと、生み出す作品も自分がに夢中になった小説等が発表された時代から抜け出せないままになります。


 こういった創作論を読んでいる時点で、何かしら悩みをお持ちだと思うのです。


 自分でも良い作品を書けていると思うし、外部からの評価も上々…でも何が受賞に足りないのか。


 今回したためた一連の記事が、そんな方々のブレイクスルーに一役買えましたら幸いです。


 それでは、末筆となりますが、皆さまのご健勝とカクヨムコンテストでの益々のご活躍をお祈り申し上げます!

(ぼくも参加するよ。戦場でエンカウントした際は、対戦よろしくお願いします!!)

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カクコン短編・小説部門を考える 笹 慎 @sasa_makoto_2022

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