3-11.旅立ち

結局、私はセーナを連れて旅立つことにした。



「公爵様には伝言してあるわよ?

魔王討伐後に見てくださいって手紙にして。」



急いで逃げる必要も無くなったので、

セーナに一旦家に帰って挨拶してこようかと言ったら、

そんな回答が返ってきた。


「あとこれ、公爵様から。魔王討伐後に見るようにって」


セーナから渡された手紙を受け取って中を見る。


「公爵様なんだって?」


「母様達には上手く言っておく。気が向いたら帰ってこいだって。」



セーナといい、父様といい私の行動はお見通しだった。

私ってそんなにわかりやすいかな?




----------------------





「セーナはどこに行きたい?」


「とりあえず海かな。楽しかったし。」


「今は寒いよ?また夏にしようよ」


「それもそうね」




----------------------





「どっちに行けばいいと思う?」


「わかってはいたけど、本当にノープランね・・・

でもしばらくはリリィに任せるわ。なんか楽しそうだし。」


「なによそれ」




----------------------





「ところで返事はまだくれないの?

そろそろ我慢も限界なのだけど」


「え?言ってなかったっけ?」


「気持ちは分かってるけど、ちゃんと言葉にしてほしいわ」


「じゃあそのうちね」


「今よ!今すぐ!いい加減襲うわよ!」




----------------------





「だいぶ離れたね~

皆どうしてるかな?」


「帰ってみる?」


「まだかな~

冒険者になって、有名になったら帰ろうよ

土産話もいっぱい作って」


「いつになったら、その冒険者とやらになれるのかしらね」




----------------------







二人の旅は続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪役令嬢に転生したのでレベルを上げずに生き延びます。 こみやし @komiyashi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画