【原案版】ミミ☆コイ
運び屋さん*
第1話
■『神と兄の会話』
▼兄・昇天
【神様】
「いや~、すまんな兄ちゃん。うっかりミスって、兄ちゃんを昇天させてしもうたww」
【兄】
「わあああ!? ケロちゃんだあああ!!」
【神様】
「ケロちゃん? 何や? それ」
【兄】
「あ、えっと。その、僕の世界で流行ったアニメのキャラクターで……声がまんまだし、その……関西弁だっだったので」
【神様】
「あ~。なるほどな! いや~最近現世の関西にハマっててな! 大阪に京都いっぱい巡ったで~」
【神様】
「なんなら、兄ちゃんも観光行くか? 何も触れんし食えんけど!! 気になったもんわいが食うて食レポとかすんで!!」
【兄】
「何の拷問ですか!!」
【神様】
「あっははは。兄ちゃん、ええ突っ込みするな!」
【兄】
「はぁ…。あの。その……」
【神様】
「ん? 何や? 便所か?」
【兄】
「じゃなくてw あの。僕、この後どうなるんですかね?」
【神様】
「ん~。そうやな~。現世に戻りたいっちゅうんやったらまた1からやな」
【兄】
「1から?」
【神様】
「せや。えっと。まずは、プランクトンか虫からのスタートやな!」
【兄】
「はい? え? 転生ってそうゆう? え? あの~因みに僕の前世って分かりますか?」
【神様】
「ん? 兄ちゃんの前世~? え~と……カエルやな!」
【兄】
「カエル!?」
【神様】
「せや。しかも食用や」
【兄】
「あ、あの。じゃあ。その前は?」
【神様】
「ハエや」
【兄】
「あ…」
【神様】
「人ちゅうもんはな、色んな輪廻転生を重ねて成り立ってんねん。悪いことしたら、一生虫やし。良いことしたら、めっちゃ良いもんに生まれ変われる。まぁ飛び級みたいなもんやなw」
【兄】
「はぁ」
【神様】
「大抵は、虫とかプランクトンになって、食われて。魚や動物、爬虫類になって、また食われ。最終的には人間になる。その先を超えたら地獄行きやけどな」
【兄】
「その先?」
【神様】
「人を喰ったり、闇雲に命を奪ったりや。犯罪者とかの部類やな」
【兄】
「あぁ。なるほど」
【神様】
「まあ、それが兄ちゃんの居た現世の作りや。ほんでここからが本題やねんけどな?」
【兄】
「はい」
【神様】
「兄ちゃんは現世に転生か、異世界に転生、どっちがええ?」
【兄】
「異世界? ……あの因みに質問なのですが、その世界の転生も虫とかからってやつですか?」
【神様】
「んぁ? ああ~。ちゃうちゃう。その世界の転生は同じ種族になんで!! まぁ人とか獣人とか魔物とかどっついる、剣と魔法の世界なんやけどな。所謂ファンタジー世界や」
【兄】
「まぁ。異世界って言ってる時点でそんな感じはしてましたけど……ん~。まあ特に現世に未練とかないし、異世界行ってみたかったし! 僕は! 異世界転生の方で!!」
【神様】
「よしきた!!」
【兄】
「あっ。因みにチートの方は? 俺強え主人公には欠かせないもんです!!」
【神様】
「チート? ああw せやった。俺強えが、何かよう分からんけど、わいが昇天させてしもうたんやしそれくらいの得点はつけんとな!! ねで? なにがいい??」
【兄】
「毎日、現世で言うところの、10,000円がもらえるシステムが欲しいです!!」
【神様】
「はあ? ……あ、あぁあ。資金援助かw まあそれくらいなら構わへんが。兄ちゃん。今はな? チートの話をしてんねんで?」
【兄】
「はい。ですから。毎日10,000円。僕にください」
【神様】R
「はあああああ!?!? アホ言いなや?! 何が10,000円や!! あんな~兄ちゃん。向こうの世界には、冒険者ギルドちゅうもんが……」
【兄】
「いえ。僕。冒険はしないので。魔物とか居る世界なんですよね? そんなところに行ったら、僕一発で死んじゃうので……大人しくネカフェにこもってます」
【神様】
「んん。あんな~兄ちゃん。意気揚々と異世界ライフ楽しもうとしてるとこすまんのやけど。あの世界にネカフェなんて存在しぃいひんぞ!」
【兄】
「な! なな…なん! だと!?」
【神様】
「当たり前やろ~!! あんなに娯楽が充実してる世界なんて兄ちゃんの居た世界くらいやぞ!? ほんま、羨ましい世界で育ったな~」
【兄】
「娯楽が無い……。しょうが無いな、なら、宿屋の部屋に籠もるか……」
【神様】
「兄ちゃん……あんた……。ええ加減にせえよ! 黙って聞いてれば、アホみたいな事ぬかして!! ええか?? わいな、黙っとったけど。あんた現世で引きこもりやったろ? そりゃな、あんな人生経験積んでたらな、引きこもりにもなるのは分かる!! せやから折角新しい世界で新しい人生歩ませてやろう思たんに、何でまた引きこもりに戻ろうとしとんじゃい!! 働け!! この、引きニート!!」
【兄】
「う……。だって人怖いもん!! 魔物怖いもん!!」
【神様】
「お前! さっき、俺強えがどうの言っとったやんか!! 文字面的になんかかっこええのんちゃうんか!?!?」
【兄】
「そうだけど!! そうなんですけど!! だって!! だって!!」
【神様】
「はぁ……はぁ……。よし。わかった。これは、特別。と・く・べ・つ大サービスや!! も一個チートつけたるさかい! なんかゆうてみ」
【兄】
「え!? いいんすか!? ……じゃぁ……。10,000円を15,000円にしてください!!」
【神様】
「アホぬかせ!!!!!!!!!!!!」
◇ ◇
■『神と兄の会話』
▼兄・転生
【神様】
「ん~。過去の実績とか経歴とかみてみたけど。精神学。語学。制作。ぱっとせえへんスキルやんな~……まぁ。後は頑張れと言うしか無いか……」
【兄】
「駄目っすか??」
【神様】
「因みにな? 向こうの世界に行ったら。わいの神のクエストを最終目的にしてもらえればええよ。期限も時間もとらへん。出来なかったら……そんときはそんときや。かまへんよ」
【兄】
「神様のクエスト? とは?」
【神様】
「あぁ…詳細は喋られへんねん。時空歪ますとかあるさかいに。いつの間にか出来てました~でええねんw」
【兄】
「なるほど。まぁ世界救えとかのテンプレかなんかだと思っておきます。無理だけど……」
【神様】
「ん? なんか言うたか?」
【兄】
「いえ~何も??」
【神様】
「よっしゃ!! ほんじゃ!! 転生といきまっか!!」
【兄】
「おお~!!」
【神様】
「汝。朝陽雪智よ!! どうかそなたの今後の人生に幸多からんことを!!」
【兄】
「ありがとう神様。僕頑張ります!!」
【神様】
「おお! 兄ちゃんのことはこっちから見守っとるさかいに。好きなように生きんかい! たまに顔みに行くさかいな~ほな!!」
◇ ◇
■『神と兄の会話』
▼兄・再会
【店主】
「お~い。ゆき坊。そっち~片付けといてな~。それ終わったら、昼食ってきて良いぞ~」
【兄】
「うぃ~す。店長。あざま~っす」
【兄】
(いや~にしても。俺もだいぶ真・人間だな。転生してから数年はやっぱり引きこもったけど、この宿屋の店主さん優しいし。お手伝いしたらご飯ただでくれるし。今の俺の姿を姉ちゃんがみたら驚くだろうな~)
【?/神様】
「こにゃにゃちわ~。いや~えらいご機嫌やないですか、お兄はん。なんかええことでもあったんですかい?」
【兄】
「んん!? その声は!!」
【神様】
「や~」
【兄】
「かっ~……み、じゃ~なくて。兄さんじゃないですか!! ん~なぁぜここに??」
【神様】
「いや~近くに寄ったんでな。様子見に」
【店主】
「何だ? ゆき坊。お前兄弟なんていたのかw ははっそれもイケてる兄ちゃんじゃねえか!! がははっ」
【雪智】
「あ、はい~実は~……w」
【神様】
「あははっおおきに。おいちゃんも伊勢よろしいな! ここはええ宿屋や!」
【店主】
「がははっ。ありがとよ~。おい。ゆき坊、ほらこれお兄さんと食いな!!」
【雪智】
「あ。すいません。ありがとうございます!!」
【神様】
「僕の分まで。おおきに店主はん」
◇ ◇
■『神と兄の会話』
▼兄・説教
【神様】
「んで? 進捗どうよ」
【兄】
「はい! それは勿論!! この宿屋で数億いえ……数千億円稼いでみせるつもりです!! いずれは支店も出していって……」
【神様】
「ちゃうわ! ぼけぇえ!! 誰が宿屋でせかせか働けって言った? 天界でみてたけど、数年ヒッキーやって、やっとでたと思えば、宿屋でお手伝い」
【兄】
「神様。何言ってるんですか? これは進歩以外の何物でも無いですよ!? 現世で数十年間ニートやってた僕が! あの僕がですよ?! 今やこんなに立派に働いて!!」
【神様】
「いや。うん。まぁな。確かに成長はした。してる。だが、一つ質問だ」
【兄】
「どうぞ」
【神様】
「兄ちゃん、一回でも冒険者ギルドに行ったか?」
【兄】
「いえ。まったく。そもそも。この町の地理。買い出しの市場以外知りません」
【神様】
「…………」
【兄】
「あれ? 神様? ……どうしたんですか? なぜ、無言で席を立たれる」
【神様】
「…………」
【兄】
「そして! なぜ!! 無言&笑顔でこちらに迫ってくるのか?!」
【神様】
「ほな。行こか?」
【兄】
「what's? ドコヘ?」
【神様】
「そりゃぁ。決まっとるやろ~。お役所仕事して観光やで~」
【兄】
「い! いい!! 嫌~だ~!!!!!!!!」
【神様】
「こら! 手ぇ離さんかい!! だだこねったって許さへんで!!」
【兄】
「おんもは怖いんだ~冒険者になんてならない! 僕は平民からせかせか働いてBIGになってスローライフを過ごすんだあい」
【神様】
「そんなわがまま言うたかて、身分証明は必要になるやろ!?」
【兄】
「じゃあ、商業ギルドに行く!!」
【神様】
「あてはあるんか?」
【兄】
「大丈夫。金はあるんやでぇ~げへへ」
【神様】
「ほ~。それで? 一から、何を売るつもりなん??」
【兄】
「い、いや~。それはこれから考えたり~。その~。培ってきた、知識を糧に~的な~」
【神様】
「お兄はん……。商売、なめとったらあかんえ!?」
【兄】
「ひゃんっ!!」
【神様】
「だいたいな! 現世で引きニートを数十年続け、この宿屋でしか働いたことの無いやつがどないするちゅう話やねん。雇われ人になるにしても、どこもかしこもこないいい人が集まるわけちゃうねんで!?」
【兄】
「う、うう……ぐうの音も出ない。確かに正論」
【神様】
「ほら。分かったら。冒険者ギルド行くで! 早よう、柱から手ぇ離し!」
【兄】
「いやや!! 母ちゃん!! 俺!! ここがいい!! ここに居る!!」
【神様】
「ええ加減にしいや!!」
【兄】
「助けて!! 姉ちゃん!!!!」
【神様/兄】
「「…………。はっ!! それだ!!!!」」
◇ ◇
■『神と兄の会話』
▼兄・会議
【神様】
「こほん。ちゅうわけでや。現世にいる、兄ちゃんの実の妹。朝陽雪稀ちゃんをここえ転生させる会議をここに開く」
【兄】
「あの~。納得しといて、確実に巻き込む気満々な我々なんですけど……。まず姉ちゃんの性格上異世界転生を確実に選ぶのは間違いないです」
【神様】
「ふむ」
【兄】
「それは、良いんですけど……」
【神様】
「何か気がかりか?」
【兄】
「あ、えっと。僕。向こうで結構、姉ちゃんのこと巻き込みまくってたから……また同じ世界で再会して嫌われないかなって……」
【神様】
「ふっw なんや、そないなことかい……あんな兄ちゃん。嫌いやったら、こんなに兄ちゃんの作品作る妹。居いひん思うで」
【兄】
「え? 作品? ……。っ!」
【兄】
「これ、俺のキャラ? ……毎年更新。しかも小説がなんか凄い事になってるww ……。姉ちゃん……さすが俺の妹」
【神様】
「せやな~ええ兄妹だと思うわw」
【兄】
「よし。決心つきました神様! 呼びましょう。姉ちゃんを!」
【神様】
「まかしんしゃい!!」
【兄】
「あ、でも。こんな私情で現世から呼び出しちゃって良いんですか? てか、できるんすか?」
【神様】
「出来るで。まぁ、召還とかでは無いから、向こうで行ったん死んでもらわなあかんけど、記録によると近いうち、事故に遭うみたいやわ……」
【兄】
「え? あぁ……姉ちゃん。死んじゃうんっすか。あんな作品作れるやつが……遺作を……。あの神様、せめて僕の時みたいに苦しまずにとかは出来ないでしょうか?」
【神様】
「その辺は、手が出せへんねん。前も言うたと思うけど、わいらみたいなもんが手ぇ出してしまうと、歪みとかがあってやな。すまん」
【兄】
「ですよね。その辺はなんとなく理解してるつもりです。すみません、無理言って」
【神様】
「あ! でもな! チートはめっちゃつけられんで!! 俺強え!! わいもあれから勉強したわ!!」
【兄】
「そうなんですか?」
【神様】
「おう! 実はな、妹ちゃんの死因は事故なんやけど、それが人助けやねん! わいらの私情ではあるが、ほぼ強制的にこっちの世界に来てもらい。兄ちゃんと妹ちゃん二人分のクエストの課せを妹ちゃんに受けてもらう。とすると……」
【兄】
「人助け+強制連行+課せが二人分=その分のチートが貰える!!!!」
【神様】
「そ~ゆうこっちゃ!!」
【兄】
「よし!! いける!! 姉ちゃんなら!! 主人公。いや、完璧なヒロインになれるはず!! ……。あ! って事は、神様。姉ちゃんのチートは僕が決めます。あいつ、こ~ゆうの疎いからw 良いですか?」
【神様】
「おお!! ええで!! めっちゃええもんつけったてぇな!!」
◇ ◇
■『神と妹の会話』
▼妹・昇天 転生
【神様】
「こにゃにゃちわ~」
【妹】
「わあああ!? ケロちゃんだあああ!!!!」
【神様】
「あっははははwww なんか数年前にも同じ反応貰たなwww」
【妹】
「い、いきなりすみません。ヤングその者の声だったもので;」
【神様】
「ええて、ええて~。さくらちゃんやろ? わいも見てどハマりしたわww」
【妹】
「あ、あぁw 神様もアニメとか娯楽系見るんですね?」
【神様】
「まぁ。天界は下界を見るくらいしか殆どやること無いからな~姉ちゃんの創作とかも見とったで~にひぃ~」
【妹】
「ええ!? そ、それは。耐えへんお見苦しい物を;;」
【神様】
「な~にゆうてんねや? わい、姉ちゃんの作品大好きやで~!!」
【妹】
「っ/// あ、ありがとう…ございます///」
【神様】
「なんや~? 照れとんのか? 可愛らしい反応やな。現世でもファンは居ったやろ~??」
【妹】
「ま、まぁ。確かに好きと言ってくださる方々はありがたいことに居ました……。でもっ/// ケロちゃんボイスでイケメン神様はずるい/// 自分現世では、引きこもりの活動者でしたので……男慣れと言うかイケメンは二次元で摂取していてので……」
【神様】
「イケメンか~嬉しいこと言うてくはるな~」
【妹】
「眼福です!! 現世には色々やり残してきちゃったけど、一生の悔いないです!!」
【神様】
「そうか~見守ることしか出来なくてすまんな」
【妹】
「いえいえ。そうゆうものだとなんとなく理解してますのでw」
【神様】
「君ら兄妹はほんま、理解が早いな~」
【妹】
「え……?」
【神様】
「ほいでな、話はたぶんすぐに理解すると思います~言うてこれを渡されたんやけどな? わかるか?」
【妹】
「はぁ……。手紙? メモ? うわぁ……字ぃ汚。なになに……チート? ……Kamiより……。ああ、なるほど。異世界転生ですか~」
【神様】
「!?!?」
【妹】
「ん? どうしました? 神様」
【神様】
「な、なんで、わかったんや!? え? 一瞬で理解したんか?? ほんまに??」
【妹】
「ええ。どうせまた、あのバカが何かやらかしたのでしょうww いいですよ! 異世界。是非行ってみたいです!! 神様からの頼みとかはあるのでしょうか? 簡単なものだと良いのですが;;」
【神様】
「は~、まさかわいの課せまで理解するとは……」
【妹】
「まぁ、これでも兄妹ですので///」
【神様】
「わいからのクエストは禁句事項で言えへんねん。期限もないし課せっちゅうほど重いもんでも無い。いつの間にかクリア出来てたらラッキーくらいに思っといてええでw」
【妹】
「なるほど、でもこれだけチートを貰えるって事はそれなりの条件ですよね?」
【神様】
「ん~まぁそうなんやけどな;; 取り敢えずは……合流しよか」
【妹】
「あ、ですね」
【神様】
「んっんんっ。では、汝。朝陽雪稀。どうかそなたの今後の人生に幸多からんことを!!」
【妹】
「ありがとうございます。神様」
◇ ◇
■『兄と妹の会話』
▼再会
【兄】
「はぁあ。神様。今頃、姉ちゃんと会ってんかな? あのメモ通じたかな? やっぱもうちょっとかっこいいサインにしとくべきだったかな~?」
【?/妹】
「いやいや~。ちゃんとわかりやすく丁寧な字で書くべきだったよ~」
【兄/妹】
「「…………」」
【兄】
「ああ! 姉ちゃ~ん! ……よっ!」
【妹】
「こんのあほんだりゃ~~!!!!」
【兄】
「痛い!! 酷い!! 数年ぶりの再会を期してなにをするか!!」
【妹】
「ま~た人のこと巻き込んどいてよく言えたなあ! 馬鹿野郎!!」
【兄】
「すんませんした!!!!」
【妹】
「土下座も土下寝も見飽きたわボケ! つうかお前さ! 何このメモ!! 一瞬暗号化と思ったわ!! 時止まるよね、マジで」
【兄】
「いや~www これさ~www こっち来て文字とか書かなかったらいつの間にかこれよね~www マジうけるwww でも、サインは頑張った!!」
【妹】
「うけてんじゃねえよwww つか、サインってこれ。Kamiやん。お前はArtだろ。なんだ?こっち来てついに宗教系に目覚めたか?」
【兄】
「いや。どうせ神様が渡すものだし……一度は名乗ったみたいじゃん?」
__キラーン! __
【妹】
「いいよ。じゃあ次に神様に会ったら推薦しておくよ」
【兄】
「やめろよな! 俺は本物にはならん! なんか怖いし! ブラックそうだし!」
【妹】
「そう言えば、昔もなんかそんなこと言ってたなww 良いじゃん、社畜。働け引きニート!」
【兄】
「ふっ。妹よ。私はここへ来て変わったのだ! もう、引きニートでは無い!!」
【妹】
「な、なん、だと!? ま、まさか貴様ここへ来てっ。しょ、職に!?」
【兄】
「ああ。ここが今の職場だ!!」
__デデンッ!!__
【兄】
「寝泊まりOK。朝昼晩の賄い付き★いつ休んでも怒られない!! ハートフルな職場!!」
【妹】
「…………」
【店主】
「ゆき坊にはよく手伝っててもらって、助かってるよ。がははっ」
【妹】
「寝泊まりOKでご飯付きって……。宿屋だから当たり前じゃボケェ!! 向こうは仕事。お前がやってるのは、ただのお手伝いだ!!」
【兄】
「え~? でも、飯代ただだし、風呂とか使い放題なんだぜぇ?」
【妹】
「はぁ……期待した私がバカだった……ギルド関連の話が聞けると思ったのに……」
【兄】
「んも~。そんなこと言ってるとお金の工面してやんねぇぞ? 俺のチート能力。毎日手元に15,000円チート」
__キラキラキラ__
【妹】
「んぐっ!? はあ!?!? お、おま!? ……お前はバカか?」
【兄】
「なんだい? 藪から棒に」
【妹】
「お前、ケロちゃんには会ったよな?」
【兄】
「もちろんだ。生ボイス幸せだった~」
【妹】
「それには、同意だ。じゃなくて、ケロちゃん! だいぶ気前よかったように思えるのは私の気のせいだろうか?」
【兄】
「いや。それは俺も納得だ。10,000円を15,000に値上げしてくれたからな」
【妹】
「ならなぜそのチートなんだ? ……あれだけ俺強え作品を見てきたくせに。知識はお前の方が格段に上だろうが! この馬鹿野郎!!」
【兄】
「うっ! お、落ち着け。待て。待ってくれ。OK、OK。まず。まず、いったん私の話を聞いてもらえないか??」
【妹】
「ふ~ふ~……ふ~……」
【兄】
「ありがとう。んん。まず、異世界に来て。必要なものは何だと思う?」
【妹】
「衣食住」
【兄】
「それを伴うには何が必要か?」
【妹】
「お金」
【兄】
「うむ。では、それをさらに伴うには?」
【妹】
「働く環境」
【兄】
「正解だ。流石姉ちゃん。話が分かって助かる♪」
【妹】
「はい。一つ良いか?」
【兄】
「うん。どうぞ」
【妹】
「必要なものの第一に金が必要なのはわかった。この世界に来てから、言葉の読み書きも必要ないと始めに学んだ。だがな一つ大事なものを君は忘れている。それは……」
__ガサゴソ__
【妹】
「これだ!!!!」
__バンッ__
【兄】
「こ、これは……。ぎ、ぎぎ、ぎぎぎ……ギルドカードでは無いか!? 妹よ。これをいったいどこで?」
【妹】
「この宿屋に来る前に、冒険者ギルドへ寄った。そして、町の地理も散歩がてら把握してきた。因みに路銀は来る途中の草むらで、鑑定スキルを使い採取し摘んだ薬草を売って一稼ぎした」
【兄】
「う……お前。いつの間にそんな成長を!?」
【妹】
「主人公補正と言うやつか? そんな大それたチートのおかげで魔法も運動神経も格段に上がっている。これには感謝を述べるとしよう。ありがとう」
【兄】
「姉ちゃんが俺よりなんか凄い件について」
【妹】
「そんな自慢話をしたいんじゃ無いんだよ。君があちらの世界で勇者になりたくないといっていたのはよく覚えているよ。だから今回勇者枠を回してきたことに凄く腹が立っている」
【兄】
「……」
【妹】
「確かに前世で、どちらかが召喚。または転生なんて事があった際には必ずもう片方も呼ぼうといった。そこまでは、あっているか?」
【兄】
「問題ない」
【妹】
「前世でお互いに勇者はやりたくないと言い続けてきたから、これは早い者勝ちだと私は認めようじゃないか」
【兄】
「……」
【妹】
「だがな!なにゆえ、チートがそれなんだ? もっと他に良いものあっただろう?」
【兄】
「いや~。俺ら、前世でお金にめっちゃ苦労したやん? 必要かな~って」
【妹】
「だとしても、お前の話を聞くに二回は交渉権あったよなあ? なぜそのときに違うやつもう一個選んどかなかった!」
【兄】
「こっちの相場が分からなかったし……それに……貯金すれば。金はあるんやで~! でいつかは貴族に出世できるかな~って思って」
【妹】
「ちっ!」
【兄】
「すんませんした!!!!」
【妹】
「取り敢えずお前。身分証明するものが無いんだから、冒険者ギルド行って登録してこい」
【兄】
「嫌だ! 俺は、働きたくない!」
【妹】
「働けって行ってんじゃ無くて身分を証明する物を作ってこいって言ってんの!!」
【兄】
「別に身分証明なんて、使うときくるわけ……」
【妹】
「少しの時間だったけど、また再会できてよかったよ。お互い頑張って生きていこうな。今までありがとう」
【兄】
「待って! 分かった! 作るから!! 見捨てないで姉ちゃん!!!!」
【妹】
「よ~し。行ってこ~い」
【兄】
「……」
【妹】
「どうした? ほら、行ってこいよ。どのみちケロちゃんとここで待ち合わせしてるし。お兄がここの宿屋に泊まってるなら、俺もここに泊まるし。受付して部屋で待ってるよ。いってら~」
【兄】
「あ、あの~。冒険者ギルドってどこ? 一人で行くの怖いから、姉ちゃん着いてきて」
【妹】
「え~めんど~。はぁ……」
【兄】
「ありがと♪」
【妹】
「5,000円な」
【兄】
「ううw 地味にリアルww」
◇ ◇
■『神と兄と妹の会話』
▼神様と兄妹・再会
【神様】
「いや~、この短時間で色々習得したようで。わい、ほんま嬉しいわ~」
【妹】
「あはは~色々お世話になりましたw」
【神様】
「兄ちゃんも、無事冒険者ギルドで身分証明作れたみたいやし流石、嬢ちゃん。扱いなれてはるな~」
【妹】
「家のが神様のお手を煩わせたようで。ほんとっ! 申し訳ないです」
【兄】
「うぅ~。ごめんなさい」
【神様】
「構へん構へん。こっちも無理言って来てもらってるさかいに。そんな、兄ちゃんこと攻めんとってや、嬢ちゃん」
【兄】
「なんとかなるよ、絶対大丈夫だよ」
【妹】
「帰れ」
【神様】
「あっははははwww 息ぴったりやなwww」
【兄】
「へへ///」
【神様】
「は~あw まあ状況説明は、こんなもんやな。もっと二人と居りたいんやけど、あんま長居するんもあかんからなぁ」
【兄】
「あ、あぁ……」
【妹】
「お別れ……ですか」
【神様】
「そない悲しい顔せんでも、また、遊びに来るさかいに。笑ってや! せや! 忘れるとこやった。嬢ちゃん?」
【妹】
「はい」
【神様】
「嬢ちゃんの欲しいチートってなんや?」
【妹】
「え??」
【神様】
「ほら、こっち呼ぶとき、兄ちゃんがチート決めたやろ? せやから嬢ちゃんのお願い聞いてないな思てw」
【妹】
「え?? え、あ、いや、いいですよ! あんなに沢山チートもらって更になんて!!」
【神様】
「サービスや!! 関西根性見せたる!!」
【兄】
「おお~」
__パチパチパチパチ__
【妹】
「えぇえ~?? えっと……じゃあ。好感度が分かるチートってつけられますか?」
【神様】
「好感度?」
【妹】
「なんてゆうか~こ~。みたい相手の好感度とか触ったアイテムのみで良いんで、誰に使うとこのくらい好感度上がるよ~みたいな!」
【神様】
「ふむふむ」
【兄】
「ほお~」
【妹】
「自分は乙女ゲームが好きなので、この選択を選べば好感度上がるよとかあったら、きっと楽しい異世界ライフが送れると思うんですよね!!わがままを言っても良いのであれば、他人どうしの好感度もみたいです」
【神様】
「はは~そりゃオモロいチートやな! 好感度なんてこの世界に愛がぎょ~さん集まるかもって事かいな」
【妹】
「あは/// あくまで私情で使うものですけど……周りには好きな人で集まってて欲しいので/// これなら、昔みたいに、人の顔とか視線を気にせず生きれるかなって思いまして///」
【神様】
「ええの~! 素敵やん! 君らの過去を知ってるわいが、宣言したる! それは、最っっ高のチートや!!」
【妹】
「ありがとうございます!!!!」
【神様】
「おう! んじゃ。わいはそろそろっと……。二人とも!」
__すぅ~__
【神様】
「人生色々や!! うしゃあ!!」
【兄/妹】
「「うしゃああ!!」」
【神様/兄/妹】
「「「wwwwwwww」」」
【妹】
「はあああ~/// ケロちゃん!! しゅき~い///」
【兄】
「流石。分かってらっしゃる」
【神様】
「ひひっw ほな、またな~」
【兄】
「ありがとうございます」
【妹】
「ありがとうございました!」
【原案版】ミミ☆コイ 運び屋さん* @hakobiya_san
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