第2話 存在が救いになる時


大人になったらみんな、大人になるんだろうか。


否。


大人になってもみんな、大人になれないままだ。


綺麗なところだけを見せるSNSはもう飽きた。


ちょっと頑張ったらちょっと良くなって、

また元に戻ったり悪くなったりする日々にも飽きた。


そうやって成長してるんだよなんて綺麗事にも飽きた。


一般常識なんてあってないようのもので、社会なんてもっとぐちゃぐちゃなのに、何かの形を成してるかのように見えてる。どんだけ頭のいい悪魔が仕組んでるんだろうか。


それなのに個人が、大人になろうと、常識人になろうと、枠にハマろうと必死に自分を取りつくろたって、疲弊するだけだった。


大人なんていない。


できないことなんて人それぞれ。


あなたとあなたの友達とあなたの知り合いとあなたの周りにいる人たちにはできることが私にはできない。


甘えと言われようが逃げと言われようができない。


できているように見えたとしても、疲弊度が凄まじいならば命懸けすぎる。


なんとなく心を殺しながら社会の枠の中にいる人たちが羨ましかった。

私も必死に真似した。動けなくなるまで真似した。


でも、どこかで少しずつ麻痺していく心を殺してまで生きたいとはもう思わない。


今日もまた身体が痺れている。

社会になど、集合意識になど、馴染めない。


もしそんな人が私の他にもいたならば、

ここにもそんな人がいる。


どれだけ絶望していても

何者にもならなくても、

存在が救いになることがきっとある。

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絶望 空乃 心 @soranokokoro

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