四五二十(改)

霞(@tera1012)

四五二十(改)

公魚わかさぎを抱きて静かなうみおも

面接の朝ウグイスは啼き損じ

くるくるり黄色並んで春きたる

田の起きて驟雨しゅううのごとき蛙声あせいかな

投げた歯のすきまの黒や風光る


田を渡る風はトトロか夏来る

お囃子の継ぎ息にかほるりんご飴

兵児帯へこおびもふわりふわりとスキップし

さよならと哭く声かそけき四尺玉

送り盆父に添いたる蚊遣り豚


おしろいばなゆくみちくさの毒甘し

麻衣あさころもまといて気高し案山子かかしかな

月咲くや団子にくぎ付く吾子が天

芋づるに引かれて泥のおのこなり

ほの赤り見る人もなく散りもみじ


ただすくいただ掻き落とし冬長し

山眠るシャウカステンの白き肺

モノクロのはがき重なり年の暮れ

利き酒の全て外して宵深し

凛凛と晴れ着まといて日がのぼり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

四五二十(改) 霞(@tera1012) @tera1012

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画