二十首連作 カクヨム短歌

第1話

二十首連作短歌

１）故郷は　人少なくて　山笑い　緑が茂る　里山恋し

２）桜東風　人なき里に　花が舞う　そよそよ揺れる　桜並木の

３）夕暮れ時　人なき里に　蝉時雨　耳をつんざく　大合唱が

４）雪が舞い　あたり一面　寒空に　かすかに光　弱く差し込み

５）初詣　家族全員　正装で　気持新たに　飛躍を願う

６）初春の　庭のスイセン　たおやかに　寒さに負けず　紅色映えて

７）アジサイが　けなげに咲いて　雨上がり　あたり一面　青く染め

８）青嵐　川の水面に　波を立て　桜花びら　流れ漂う

９）青嵐　庭の菜の花　波打ちて　夏の訪れ　子供がはしゃぐ

１０）初詣　羽織袴で　神妙に　今年一年　幸多かれと

１１）葉桜に　見守れながら　中学に　心新たに　使命に燃えて

１２）ひまわりの　無人の畑に　たくましく　黄色たなびく　暑さを超えて

１３）お彼岸に　先祖を想い　墓参り　現世に生きる　感謝の念を

１４）故郷の　清き流れに　桜舞う　日本の春に　気持新たに

１５）高齢者　増加の一途　埋め尽くす　日本の未来　懸念が走る

１６）シクラメン　恋心超え　畑一面　絢爛豪華　威勢を誇り

１７）藤の花　うす紫の棚の下　心安らぐ　雰囲気出して

１８）蝉時雨　無人の畑に　響き渡りて　耳をつんざく　短い命

１９）鳴門うず　海の力を知らしめて　季節の変わり　心に刻む

２０）新聞で　社会の動き　確認し　自分の未来　思い描いて